2015 Fiscal Year Annual Research Report
温度を感知する光受容ニューロンを介した温度適応システム
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15J04977
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
宇治澤 知代 甲南大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | C. elegans / 温度馴化 |
Outline of Annual Research Achievements |
温度は地球上に常に存在し無くすことができない環境情報であるため、動物にとって温度への適応システムは必須である。本申請者は、動物の温度適応システムの解明をめざし、特に温度受容情報伝達 と温度適応のアウトプットの分子生理機構の解明をめざしている。 そのなかで、2014年度に、「光を受容する感覚ニューロンが温度を感知し、インスリンを分泌することで、腸などに働きかけ「全身」の温度適応を制御する」という予想外の結果を得た (Ohta, Ujisawa(共同筆頭著者) et al., Nature commun,2014)。そこで、この解析系を用いて、温度受容と適応に関わる分子の同定を行っている。 これまでにアメリカに3ヶ月留学し、共同研究を行ったところ、低温適応に関わるアポトーシス関連遺伝子(M60.2)がRNAエンドヌクレアーゼ活性を持つことが明らかになった。そこで、次世代シークエンサーをもちいたRNAシークエンスにより、候補基質RNAを単離している。所属研究施設には、次世代シークエンサーがないため、この解析を行うための次世代シークエンサー解析を共同研究で行っている。 GPCR型の新規温度受容体の単離に向け、約800個のGPCR遺伝子ノックダウンが当研究室で行われ、35個の候補遺伝子が得られた。それらのうち10個について温度受容ニューロンでの発現の有無をGFPをもちいて同定した。三量体Gタンパク経路上の分子の異常と、温度受容ニューロン活性との関係をカルシウムイメージングで測定した。温度適応時の体内温度変化を温度イメージングで測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進み、M60.2に関しては、次世代シークエンサーをもちいたRNAシークエンスにより、いくつかの候補基質RNAを単離した。所属研究施設には、次世代シークエンサーがないため、この解析を行うための次世代シークエンサー解析を共同研究で行った。GPCR型の新規温度受容体の単離に向けた解析や、温度受容ニューロンのカルシウムイメージング解析も当初の予定通りに進んでいる。以上のことから概ね予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、アポトーシス関連遺伝子M60.2の低温適応における標的RNAを同定し、既知の温度適応の分子経路との遺伝学的関係を解析する。GPCR型温度受容体の発現細胞解析や、その下流分子の変異体でカルシウムイメージング解析を行う。温度応答の生理的パターンを定量化する。
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Research Products
(7 results)