2016 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体反応を用いた化合物半導体モノレイヤの量産法の構築と光学特性制御
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15J05197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中安 祐太 東北大学, 環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 超臨界流体 / 水素発生反応触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、超臨界流体プロセスを用いることで、MoO3からMoS2およびMoSe2の短時間合成、さらに、原料の硫黄とセレンの投入量を変化させることで、組成制御されたMo(S,Se)2の短時間合成にも成功した。MoS2, MoSe2, Mo(S,Se)2は、エッジが露出したフラワー状の構造をしており、水素発生反応触媒の応用に適している。そこで、CV測定による触媒活性の評価を行ったところ、高い触媒活性を得ることに成功した。このとき、MoS2およびMoSe2と比較し、Mo(S,Se)2は過電圧が小さく、より高い触媒活性を発現することが確認された。また、さらなる触媒活性の向上ために、超臨界流体プロセスを用いてMo(S,Se)2/Graphene複合体の合成を行いCV測定を行ったところ、触媒活性の向上が確認された。 また、本合成プロセスにおけるフラワー状粒子の生成過程を追求した。まず、反応後のリアクターを、急冷または徐冷の二条件で冷却し、合成されたMoS2を比較した。その結果、どちらの条件においても同様のフラワー状粒子が生成しており、粒径の違いも見られなかったため、フラワー粒子は冷却過程ではなく、カルコゲン化反応中に形成されることが確認された。さらに、生成物の時間依存性を検討するため、反応時間を変化させてMoS2の合成を試みたところ、3 minという極短時間でフラワー状の粒子が生成していることが明らかとなった。一方、XRDスペクトルにおいて8 min未満の条件ではMoS2のピークが観測されなかったことから、3-8 minで観察されたフラワー粒子はアモルファス状であり、8 min程度で結晶化していることが確認された。それ以降は粒成長・結晶成長せずに超臨界流体中に定常状態で存在していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の「今後の研究の推進方策」に記載した通り、反応機構の解明、詳細な構造評価および水素発生触媒への応用を達成したため、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、合成された材料の光学特性評価、および光触媒への応用を行う。
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Research Products
(5 results)