2016 Fiscal Year Annual Research Report
アレンを中間体とするアルキンの二重官能基化反応の開発と天然物の効率合成への応用
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15J05294
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
天児 由佳 千葉大学, 大学院薬学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | アレン / 不斉転写 / ヒドロシアノ化 / ニッケル / カイニン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度見出した、光学活性な1,3-二置換フェニルアレン誘導体を用いたヒドロシアノ化による不斉転写反応の反応機構について詳細な検討を行った。すなわち、不斉転写率はアレンのアルキル置換基の立体的嵩高さに依存し、嵩高いアルキル基を有するアレンほど高い不斉転写率で反応が進行することが示された。そこで、不斉転写率が①アレンのラセミ化の程度、②ヒドロニッケル化における二つの二重結合の位置選択性、のどちらによって決定されているか調べるべく、反応の経時変化を観察した。その結果、アレンのラセミ化も若干進行するものの、不斉転写率は主にヒドロニッケル化における二つの二重結合の位置選択性によって決定されることが示された。さらに、アレンのラセミ化は0価ニッケルによって触媒されることを見出し、その推定反応機構についても考察した。また、光学活性なアレン側鎖を有するアレン-イン体を用いた、不斉転写を伴うヒドロシアノ化型環化反応への応用にも成功した。本反応のようにπアリルメタル中間体を経由して進行する反応は、同一の生成物に至る経路が複数存在するため不斉転写が困難であり、報告例が非常に限られている。また、本研究は、不斉転写率がアレン二重結合の位置選択性によって決まることを実験的に証明した初の例である。 また、筆者が開発したニッケル触媒によるアレン-イン体のヒドロシアノ化型環化反応を鍵反応に用いたカイニン酸の形式合成を達成した。ニッケル触媒によるヒドロシアノ化を用いた天然物合成はほとんど報告例がなく、本研究成果により、ヒドロシアノ化が天然物合成の有用な反応となりうることを示した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)