2016 Fiscal Year Annual Research Report
GIS・GPRを用いた前方後円墳の三次元復原と設計原理の考古学的研究
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15J05313
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
今城 未知 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 考古学 / 古墳 / 前方後円墳 / デジタル測量 / GIS / 地域社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、古墳のデジタル測量を通じて墳丘企画論の新たな方法論を確立と、GISを用いたネットワーク分析による、古墳時代後期から終末期における地域社会の構成原理とその変遷を明らかにすることである。 平成28年度は、対象とする地域の中でも利根川下流南岸地域と印波地域に集中して研究を進めた。 具体的には、利根川下流南岸地域では、昨年度実施できていなかった千葉県香取市三之分目大塚山古墳の測量調査を2月に実施した。三ノ分目大塚山古墳は当地域の画期となる前方後円墳であり、大王墓や周辺地域の大型墳との類似性も指摘されてきた前方後円墳である。よって、当古墳の分析は、大王墓との比較も射程に入れた分析となる予定である。印波地域では、古墳情報の悉皆的な収集によるデータベースの作成と、墳丘・埴輪・埋葬施設の石材に着目したGISを用いた地域間ネットワークの分析を行った。そして、昨年度分析した武射地域と今年度行った印波地域の地域社会の在り方を比較し、6世紀~7世紀における地域統合の多様性を認識した。ただし、地域社会の分析は進んでいるものの、現象の整理にとどまっている部分があるため、古代史の視点を取り入れた解釈が必要になっている。また、茨城県内や栃木県内での踏査や古墳の発掘調査にも参加し、研究で対象としている地域の理解の相対化を進めた。 なお今年度は、昨年度までに行った調査のうち、千葉県山武市旭ノ岡古墳の測量調査、市川市法皇塚古墳・弘法寺古墳のGPR探査についてはすでに雑誌に投稿しており、平成29年度中に公表される予定であり、成田市船塚古墳の調査成果については千葉県立房総風土記の丘考古学講座で講演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外調査による墳丘の情報収集と、報告書の精査による室内での情報収集・分析を並行して進められているほか、他地域での調査に参加しており、情報収集・分析の面では比較的順調に進展している。また、実施した調査に関しても雑誌等で成果報告し、一般社会・学会の双方に情報発信できている。特に、墳丘の測量調査や地域分析の方法論の確立に関しては、順調に進捗していると言える。ただし、研究の深化により、熟考を必要とする項目が増加し、論文の執筆が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も、古墳の測量調査と発掘調査報告書等での情報収集・分析を並行して進める。測量調査では、前方後円墳1基を調査する予定で、現在調整中である。発掘調査報告書等での情報収集・分析では、利根川下流南岸地域、北浦地域、高浜入地域の情報収集とネットワーク分析を行い、各地域と常総地域の集団構成及び地域社会を復原したいと考えている。また、これまで調査してきた墳丘の設計と、すでに分析が終了している武射地域に関しては、論文を執筆する予定である。そして、平成29年度に分析する地域と合わせて、古墳時代後期から終末期の地域社会の構成原理に関する博士論文を執筆していきたい。
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