2016 Fiscal Year Annual Research Report
無機窒素動態に連動する土壌微生物群集解析による北方林窒素ミッシングリンク解明
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15J06157
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
礒田 玲華 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 北方圏生態系 / 窒素循環 / 土壌微生物群集 / 森林限界 / ツンドラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は北方圏生態系における土壌微生物群集の構造とそれらの窒素循環への寄与を評価することを目的して,フィールド調査と実験室内試験を行ってきた。これまでに,森林限界からツンドラ域における植生,土壌理化学性,土壌微生物群集構造とそれらの窒素固定ポテンシャルを各因子と無機窒素代謝との関連を調査してきている。 フィンランド北部森林限界線トウヒ疎林と北海道苫小牧カラマツ人工林の土壌微生物群集解析により中温性古細菌群が多数検出されたため,古細菌群集についてより詳細な系統樹解析を行った。両サイトの古細菌群集は大きく2つの門で構成されていた。うち一つが中温性古細菌群であり,これらは4クレードにわかれた。これら中温性古細菌はアンモニア酸化を担っている可能性が考えられる。また,真性細菌群集について窒素固定を担っている可能性のある群集を解析したところ,フィンランドトウヒ疎林の土壌微生物群集から,より多くの窒素固定関連最近群集を見出した。 スウェーデン北部のU字谷Karkevaggeではツンドラを代表する5タイプの植生がU字谷内に確認できる。5タイプの植生下の有機物土壌に対し,土壌化学特性や窒素固定ポテンシャル評価,次世代シークエンシングによる群集解析を行った。その結果,pHが高い3タイプでは比較的高い窒素固定ポテンシャルを示した一方でpHが低い2タイプでは窒素固定をほとんど示さなかった。真正細菌群集の構成要因は5タイプの植生間でほぼ同じだったのに対し,それらの構成比は植生に依存することがわかった。また,窒素固定ポテンシャルは植生と土壌中のアンモニア態窒素濃度と関連があることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)