2016 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患の新規創薬標的としてのミトコンドリア融合阻害因子MIFIの機能解析
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15J06322
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 直紀 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ミトコンドリア動態 / 神経変性疾患 / パーキンソン病 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年, 様々な生命現象・病態をミトコンドリアの動態制御 (分裂や融合) の視点から解明する試みが, 急速に進みつつある. ミトコンドリア動態の制御機構は, その品質管理だけでなく, 細胞機能の維持にも重要であり, その異常はパーキンソン病などの神経変性疾患の発症にも関与する. 当研究室では, 糖尿病病態下で発現減少する新規因子Mitochondrial fusion inhibitor (MIFI) を同定し, 同病態との関連や, ミトコンドリアの融合阻害作用等を明らかにしてきた. しかし, MIFIの生体内における生理的役割や, 神経変性疾患病態との関連は明らかでない. そこで本研究では, 分子薬理学的手法を用いたin vitro/in vivoでのMIFIの機能解析を進め, MIFIを介したミトコンドリア融合阻害の生理・病態的意義を解明することを目的としている. 具体的には, 内因性MIFIのin vivo機能や, パーキンソン病モデルを用いてMIFIの創薬標的としての意義を明らかにする. 本年度に得られた成果は以下の通りである. ①MIFI欠損マウスの作製ならびにその表現型解析: 全身性MIFI欠損マウスの作製に成功し, 本マウスの生存率が生後早期に著しく低下することや, 発達プロセスで障害が起こることを見出した. ②パーキンソン病モデルにおけるMIFIの機能評価: In vitroパーキンソン病モデルにおいて, MIFIの発現抑制がミトコンドリアの動態を制御し, 細胞を保護する可能性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
問題なく研究が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
MIFIの多様なミトコンドリア機能制御機構に注目し、MIFIの直接的な作用点や生理・病態下での役割について明らかにする。特に、in vivoパーキンソン病モデルにおけるMIFIの機能を評価する。
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Research Products
(5 results)