2016 Fiscal Year Annual Research Report
全空間シミュレーションによる極超音速ソニックブームの伝播特性解明
Project/Area Number |
15J06433
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 礼 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ソニックブーム / 数値流体力学 / 極超音速 / 分子振動緩和 / 衝撃波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高高空で発生した衝撃波を地上までCFD解析する手法(全空間シミュレーション法)に分子振動緩和効果を組み込むことで、ソニックブームの立ち上がり時間の予測を可能にし、極超音速飛行体から発生したソニックブームの伝播特性を解明することである。本年度は、以下の2点に取り組んだ。 1、分子振動緩和効果が波形に及ぼす影響 酸素、窒素、水の3化学種間で起こる振動‐振動エネルギー交換反応の影響を調査した。その結果、振動緩和時間が長い場合、振動‐振動エネルギー交換反応により、励起が遅い分子の振動エネルギーが速く励起されるようになり、圧力波形の形状も変化することが分かった。一方、振動緩和時間が短い場合、全ての分子の並進‐振動エネルギー交換反応が速く起きるため、振動‐振動エネルギー交換反応の影響は小さいことが分かった。 また、これまでは細長い軸対称回転体を対象に解析を実施してきたため、強い離脱衝撃波が発生する球体に対しても解析を実施した。その結果、離脱衝撃波の場合、波を急峻化する非線形効果が強いため、衝撃波が遠方まで伝播して十分に弱くなるまで、立ち上がり時間は形成されないことが分かった。 2、全空間シミュレーションの適用範囲の拡張 当初の予定よりも早く研究が進展したため、本研究をさらに発展させるための研究にも着手した。これまで構築してきた全空間シミュレーション法は、構造格子を使うことが前提となっており、3 次元形状機体に適用することができなかった。この問題を改善するため、物理量の変動が大きい領域で自動的に格子を細分化できる解適合格子法の導入に向けた調査を行った。具体的には、解適合格子法による解析を専門に扱っているケンブリッジ大学のNikiforakis博士の研究室を訪問し、解適合格子上で層状大気を考慮するための手法を調査した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)