2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J06660
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐久間 拓人 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ヒューマンロボットインタラクション / 感性 / 好印象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ユーザの好みを反映しユーザにとってより良いインタラクションを創発することで,ユーザがロボットに対して好印象を抱く手法の開発を目的としており,特にボールを使ったインタラクションを対象とし研究を行っている.これまでの研究によって提案手法は,ボールを使ったインタラクション環境においてもユーザが好印象を抱くようなインタラクションを創発出来ることを確認した.また,ユーザが自身の好みを積極的にシステムに教えたがるタイプか,あまり教えたがらないタイプかによって創発されるインタラクションに異なる傾向があること,および最終的な感性評価にタイプの違いが影響することも確認した.特にユーザの好みを学習しないランダムロボットに対する印象評価が影響を受けている可能性を発見した.これを受け,初年度である平成27年度は特にランダム性の認知に関する研究を行った.被験者にランダムロボットを「学習するロボットです」と説明した上で,達成すべきタスクを設定したインタラクションをさせ,学習しているように感じたかアンケートを取ったところ,タスク達成度合いに関わらずインタラクションを継続するにつれて学習しているように感じる被験者が増えることを確認した.同様の実験を提案手法を実装したロボットに対しても行ったところ,タスク達成度合いはランダムロボットと比べて有意に増えたにも関わらず,学習しているように感じた被験者の割合はランダムロボットとほぼ差が見られなかった.このように,実際に学習できているかどうかに関わらず「学習できているように感じる」現象についてピーク・エンドの法則,インタラクション相手の容姿の影響,ギャップ効果など心理学的知見に基づいて考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に挙げた「短期的インタラクション環境における実験結果の詳細な検討」は概ね達成できた. 一方,得られた実験結果を検証する過程にて,人の心理的効果を組み込んだ学習手法の提案が本研究の進展において有効であること,および長期的インタラクション環境における実験から得られる知見が実験に要するコストに見合わないことが分かったため,計画を変更し,認知心理学的実験に着手した.方向性の修正により,本研究はより進展することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
実機ロボットと行うインタラクション環境の整備を進めており,短期的インタラクション環境において有効性を検証するための実験を行っていく.また,人が抱く印象における心理的傾向・効果などを認知心理学に基づく実験を通して検証し,本研究の発展へと繋げていきたい
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Research Products
(3 results)