2015 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的資料を用いた過去の複雑な社会現象の数理的実証分析
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15J06703
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川畑 泰子 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 徴発物件データ / Twitter / オープンデータ / ソーシャルICT |
Outline of Annual Research Achievements |
現段階の研究段階としては、初年度に目標としていた過去のデータ(徴発物件データ、港湾統計データ)などをOCR、外注などを依頼してデータ化を行い、日本国内の米物価データ、さらにその他物品における物価データも入手をした。日本国内だけでなく他諸国(イギリス、スウェーデン、ブラジル)の16世紀にまでさかのぼる過去の主要な生活用品に関する物価データを入手した。さらに2年目で行う予定であった現在におけるSNS上での言葉の定義の揺らぎを定量的に取得するために主要な日本語表現(名詞、形容詞、副詞、動詞)全1500ワードの2011年から2015年度までのTwitter、テレビ、ニュース、掲示板、ブログ上での数量データを取得した。また、研究成果をさらに海外にも展開すべく、海外で発生した流行現象や SNSにおけるデータの取得を行った。日本国内の過去と現代の流行現象の普遍性を定量的に解析するにあたり、データに関わるばらつきや分布の違いなどもあるためそれらを留意しつつ、そう言ったメディアにおけるキーワードや物量の数量データの偏りに関して言及する研究成果を発表するなどを今年度は行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は博士後期過程において行ってきた研究成果に付随して日本国内で活躍するパフォーマーからのデータおよび、テレビ局との共同研究もスタートし、実際に視聴率データを研究成果として利用する許可を得たため、本研究で目指す歴史的資料を用いた過去の複雑な社会現象の数理的実証分析において、過去のデータから得られた知見を現代社会に生かすといった面では予想以上に研究が進み出した。また、データから明らかに衰退している地域過疎地域(鳥取県)、福岡県(久留米市)においては実際に市役所に出入りし、働きかけなど始まった。そして、現在千葉県(千葉市)においても同様の働きかけの検討が始まっている。また、福岡県(福岡市)においてはおうえんだんスといった東京オリンピックに向けた地方発のムーブメントの働きかけの活動においてWeb上のプロモーション協力や研究から得られた知見の提供などを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(平成28年度)においては、今年度で得られた過去のデータから定量的な知見を得るとともに、同じ数理モデルで解析可能な現代社会におけるデータから得られるであろう知見を導き出し、論文化やワークショップを開催することを検討している。また、さらに実社会の過去と現代の変化を捉えるための数量データを所持している企業からのデータ提供の予定もあるため、得られてきたデータの組み合わせなど本研究とのバランスの検討を行っている。 今年度得られたデータを元に次年度は論文執筆に力を入れ、また前年度に行ったことを更に生かせる現場での提言など目指したい。
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Remarks |
地域振興におけるデータを基にしたアウトリーチ活動にて、作成したものです。
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Research Products
(18 results)