2016 Fiscal Year Annual Research Report
反応基質を濃縮する機能をもつ中分子触媒の開発と超高速フッ素化への展開
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15J06852
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松崎 浩平 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | サブフタロシアニン / 光反応 / フルオロアルキル化 / フッ素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度にてトリフルオロエトキシ基によって修飾したサブフタロシアニン触媒を用いることで,可視光をエネルギー源としたオレフィン類及び芳香環等へのペルフルオロアルキル化反応を達成した。今年度ではこの知見を生かして脱炭酸フッ素化反応を検討することにした。具体的にはカルボン酸を基質として,触媒量のサブフタロシアニン色素を用いた可視光照射条件下での脱炭酸フッ素化反応を検討した。その結果,目的物であるフッ素化体を少量ながら得ることに成功した。しかしながら,反応後に溶液の色が顕著に変化することからサブフタロシアニン色素の分解が示唆され,本反応における収率の向上が困難であると考察した。 以上の結果を受けてサブフタロシアニン色素について,溶液中での光に対する安定性を吸光スペクトルの経時変化を観察した。結果,我々が開発したトリフルオロエトキシ基を有するサブフタロシアニン色素は,無置換のサブフタロサブフタロシアニン色素と比較して光分解に対する耐性を示すことが明らかになった。脱炭酸フッ素化反応においてはより短時間でのサブフタロシアニンの分解が観測されたことから,反応の機構解明には更なる詳細な検討が必要である。 続いて,新規の中分子触媒を設計するため,これまでに利用してきた触媒であるサブフタロシアニン色素のトリフルオロエトキシ基を,より長鎖のフルオロアルオキシド基であるヘプタフルオロブトキシ基に変換したサブフタロシアニン色素の合成を検討した。その結果,出発原料をテトラフルオロフタロニトリルとして,アルコールによる置換反応に続く三塩化ホウ素との反応によって目的のサブフタロシアニン触媒の合成に成功した。続いて本触媒を用いた反応の検討を行った。結果,赤色光照射下にてオレフィンに対するトリフルオロメチル化反応を達成した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)