2015 Fiscal Year Annual Research Report
対称律成立が語意学習に及ぼす影響と対称律成立要因の解明
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15J06975
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三宅 佑果 早稲田大学, 人間科学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 対称律 / 語意学習 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
語意学習の基礎的過程を明らかにすることは、語意学習に困難を示す乳幼児や、言葉に障害を持つ人々の支援のために役に立つ。本研究では語意学習の中でも「対称律」という推論方法に着目し、対称律成立が語意学習に及ぼす影響と対称律成立要因の解明のために研究を行った。 27年度は、研究1「対称律成立が語彙爆発に及ぼす影響」に関する実験を完遂させることであった。実際には、被験者の確保、予備実験の遂行、倫理審査修了までが終了した。また、研究2「対称律成立に必要な要因解明」の研究計画を変更し、fMRIを使用した語彙と脳活動に関する新規手法を習得して本研究に生かすための研究計画練り直しを行った。 研究1について現在までに実験自体が困難であることであることがわかっている。非常に短い時間の中で強化学習により刺激の関係性を確実に学ばせること自体が難しい。今後も実験を改善し、工夫を重ねることで完遂を目指している。研究2については、対称律成立に必要な要因の焦点を「自己エコーイック」から「類似物体のカテゴリ化」に変更した。成立要因を変更させたことから、獲得行動と脳活動の関係性よりも、同じ物体を見ている時でも学習により意味情報が脳内で変化するかを明らかにすることの方が重要であると考え、27年度はまず脳活動から語彙情報をデコーディングする方法について新たに習得した。今後はそれを本研究に応用させていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年中は、実験参加者や実験環境の関係により、他研究機関にて共同研究を申請し研究を進めている。それに伴い新規環境下にて研究遂行を行ったために進捗にやや遅れが生じた。加えて対称律成立までの乳児の強化学習が想定よりも困難なことが多く実験変更が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は研究1の完遂を当面の目標とするが、同時に研究2に着手する。 研究1の本実験の遂行のため多様な代替策を考えている。現在のところ、視線情報では強化がしにくいとの指摘から、指さし後に強化する絵カードでの実験をおこなったが失敗している。そのため、例えば、(1)ビデオでられた視線情報のみを使用して人が判断する方法(2)強化にこだわりすぎず注視時間を指標とする方法等を考えている。研究2については、自己エコーイックから類似物体のカテゴリ化のしやすさに着目し、その特性が対称律成立要因として妥当であるか否か検討する。そして、同じ物体を見ている時でも学習により意味情報が脳内で変化するかについても明らかにする。以上により、言葉に関する困難を示す人たちがより容易くコミュニケーションするために必要なことは何かについて明らかにしてく。
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Research Products
(1 results)