2015 Fiscal Year Annual Research Report
プロペラ内蔵多節骨格を持つ飛行マニピュレータロボットの構成法と行動制御の研究
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15J07149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
趙 漠居 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 変形飛行制御理論 / モジュール型プロペラジンバル機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロペラ内蔵多節骨格型の飛行ロボットの構成法と制御法の確立に向けて,本年度は基礎的な変形制御理論とジンバル機構の試作を進めてきている. 変形制御理論に関しては, モデルベースの最適制御手法を組み込んだ制御理論の構築と実機検証を行った. 従来の変形制御手法は限られた範囲での線形近似を施していたため, 大域での安定変形は実現できず, 今回はそれを補うべく変形時のモデル変化を考慮した厳密な制御理論を実現した. そして2次元変形型飛行ロボットでの実証実験を行い、安定な変形飛行を実現しました. 上述の制御理論は今後3次元に変形する飛行マニピュレータロボットにも適応できる汎用性を持っており, 一年目では変形飛行制御の基盤を築くことができたと考えられる. 最終的に実現する立体変形する飛行マニピュレータロボットの機構面での最も重要な要素はプロペラの推力方向を2自由度で操作できるモジュール型ジンバル機構である. この機構を短期間で設計, 試作したうえで, クワッドロータタイプを用いて駆動するための組み込み計算機部,モータドライバ基盤,バッテリ部品等からなるドローン体内システムの構成法を確立した. また, 機体が傾いた状態でも安定に飛行できる動作を個々のプロペラの方向をジンバル機構で操作することで実現できることを実験的に示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は飛行変形に関する基礎的な制御理論と機構設計に取り組んできた. 変形制御機構では,問題を簡単にするために2次元の変形を対象とし,機体の姿勢(コンフィギュレーション)を考慮した最適制御法を考案し,これにより安定した変形飛行が可能になることを実証実験を通じて示している.また,この成果をまとめたジャーナル論文は英文誌に採択されており,学会からも高く評価されている. 一方で3次元の変形に関しては,基盤モジュールとなるプロペラ部のジンバル機構を設計,製作し,これを駆動するための組み込み計算機部,モータドライバ基盤,バッテリ部品等からなるドローン体内システムの構成法を確立しており,各プロペラモジュールの姿勢が変形せず固定したままであるが,ジンバル機構を生かして飛行ロボットの姿勢を制御できることまで実験的に示しており,順調に研究が進んでいると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で実現したモジュール型ジンバル機構を持つプロペラリンク同士を可動関節で連結した空中で3次元に変形できる機体を製作し、変形飛行制御理論と組み合わせて変形飛行実験を実施する。また、内蔵方センサを用いた自己状態同定による自律飛行および環境認識による空中マニピュレーションの手法をシミュレーションシステム上で定量的に評価したのち、実機を用いた基礎実験も行う予定である。
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Research Products
(1 results)