2016 Fiscal Year Annual Research Report
プロペラ内蔵多節骨格を持つ飛行マニピュレータロボットの構成法と行動制御の研究
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15J07149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
趙 漠居 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ロボットの体内神経系の構築 / 空中作業 / 魚眼レンズによる3次元環境認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
去年度の成果をもとに、プロペラ内蔵多節骨格型の飛行ロボットの構成法に関してさらに掘り下げていき,通信レベルでのリンクのモジュール化を実現し、さらには全身抱え込み動作という空中作業に向けた独特なアプローチを提案し研究を進めた. まず、構成法に関して去年度は機構のモジュール化に取り組んだが、その上位層である体内通信系においてはリンク数の拡張には対応していなかった。そこで、今年度は、この関節サーボ以外の基本デバイス(モータドライバ、センサユニット)に関しても、マルチドロップ方式を導入すべく、分散制御基板とそれに対応するCAN通信プロトコルを設計した。このように、更新周期の異なる各種デイバスの情報を同一の通信プロトコル(CAN)に変換、集約することで、全体の通信負荷を減らし、多リンク構造における高速通信が初めて可能となる。この成果をまとめて英文誌として国際ジャーナルに投稿した。 また、空中作業という最終目標に向けて、全身抱え込み動作という多関節構造ならではの独特な手法を生み出した。二次元平面で変形可能な多節構造を有する飛行ロボット自身をひとつの大きなグリッパーとしてみなし,通常の把持機構では掴めない大きな物体の全身抱え込み動作に取り組んだ.把持計画手法においては,機体および対象物体の幾何形状や静力学に基づいて,機体の各関節トルクを最小にするに最適探索手法を設計した.実証実験においては,立方体および円柱を対象物体として,全身抱え込みによる安定な把持および運搬の動作を実現した.この成果をまとめて国際学会で発表を行った. さらには,より高次のロボット行動制御を実現するための知能処理に関しては魚眼レンズを用いた広域的な環境認識処理を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず, 体内神経系の実現により, より多くの関節を持つ飛行ロボットを構築することができた。これにより, より多彩な形状および動作形態が可能となった。次に, 空中作業の動作に関しては, 一般的にはグリッパーのような把持装置を用いるが, 多関節構造を持つが故に可能となる全身抱え込み動作に気づき, 抱え込み時の関節トルクや接触点での力を考慮した多関節の運動学と動力学を導入し, 飛行ロボットの抱え込み動作による物体の運搬が初めて提案され, 実現できた。さらに, 魚眼レンズの用いることで, ジンバル動作をハードウェア機構なしに実現することができ, よりコンパクトな機体設計が可能になった。これらの成果はどれも当初の計画にはなかったものである.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では, 立体的に変形するプロペラ内蔵多節骨格型の飛行ロボットのハードウェア構成を完成し, 提案した変形飛行制御を応用・改善することで, 立体変形飛行を実現する。また, いままで取り組んだ3次元での環境認識の手法をベースに空中作業を自動に行うようなソフトウェア基盤を構築する.
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Research Products
(2 results)