2017 Fiscal Year Annual Research Report
心室組織ECM足場と動的応力を用いたヒトiPS細胞の心室筋細胞の分化促進と選択
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15J07298
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤田 恭平 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / サブタイプ心筋細胞 / 心室ECMゲル / 力学特性 / 分化制御 / タンパク組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は心室ECMの生化学的な解析と力学特性が異なる心室ECMゲル上でのヒトiPS細胞のサブタイプ心筋細胞への分化に関する評価を行った。 1. 心室ECMの生化学的解析:質量分析LC-MS/MSにより心室ECMを分析したところ、心室ECMの大部分を占めるタンパクは92.95%のCollagenであり、そのうちI型、III型、IV型、V型 Collagenが91.8%を占めその他に10種類のCollagenが同定された。さらにFibrillin-1、-2やLaminin、Fibronectin、Tenascin-Xといった接着性タンパクが同定された。 2. 力学特性の異なる心室ECMゲル上でのヒトiPS細胞のサブタイプ心筋細胞への分化:架橋剤EDACにより処理した力学特性が異なる4種類のvECMゲル上でmonolayer法により分化させたヒトiPS細胞の培養を行った。各サブタイプ心筋細胞への分化と分化心筋細胞の成熟について、それぞれの特異マーカーのmRNA発現についてリアルタイムPCRにより評価した。心室ECMゲル上の分化細胞における心室筋細胞マーカーMLC2vは瞬時弾性率が最も低く応力弛緩が最も遅い心室ECMゲル上で培養した細胞において他のゲル上での細胞よりも高い発現量を示す傾向であった。さらに瞬時弾性率が脱細胞組織と同程度であり応力弛緩が速い心室ECMゲル上で培養した細胞の心房筋細胞マーカーMLC2aの発現は他の種類のゲル上で培養したものよりも高値を示す傾向であった。さらに分化心筋細胞の拍動に起因する心室ECMゲルの変形エネルギー貯蔵や散逸とサブタイプ心筋細胞のmRNA発現との関連性について検討を行った。ゲル変形エネルギー密度が低くエネルギー散逸率が低い心室ECMゲルが心室筋細胞および心房筋細胞といった拍動性心筋細胞への分化を促進する効果が示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)