2017 Fiscal Year Annual Research Report
フタホシコオロギにおける交尾により変化する摂食行動の分子機構の解明
Project/Area Number |
15J07400
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 悠介 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 摂食行動 / 神経ペプチド / フタホシコオロギ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までの研究で、フタホシコオロギGryllus bimaculatusの脳神経系において、絶食によりASTBの存在量が変化することを見出した。そこで、ASTBが摂食行動制御に関わるか解析した。化学合成したASTBを投与した群の摂食量を測定したところ、対照群に比べて、摂食量が顕著に減少した。また、ASTBRをノックダウンした個体の摂食量を測定すると、対照群に比べて摂食量が増加した。すなわち、ASTBとASTBRが摂食量の制御に関わることが明らかになった。 また、これまでの研究で、フタホシコオロギにおいて、交尾により成虫メスにおいて、タンパク質選好的な摂食行動が認められることと、卵巣を摘出したメスでも同様にタンパク質選好的な摂食をすることを明らかにしていた。交尾後のメスと卵巣を摘出したメスの体内を観察すると、いずれのメスにおいても、脂肪体の脂肪滴の量が顕著に増加していた。そこで、卵巣を摘出したメス、通常飼育の交尾後のメス、通常飼育の処女メスの脂肪体由来のtotal RNAを用いて、RNA-sequencing解析によるトランスクリプトーム解析を行った。その結果、交尾後のメスと卵巣摘出メスのいずれにおいても、処女メスに比べて、インスリン様ペプチドの発現量が高いことが明らかになった。また、交尾後と卵巣摘出後のインスリン様ペプチドの発現量の増加は、脂肪体でおいてのみ生じていた。インスリンシグナルの関連分子をノックダウンした交尾後と卵巣摘出後のメスの栄養選好性を調べたところ、対照群に比べてタンパク質選好性が弱かった。また、ヒトのインスリンを投与したところ、フタホシコオロギのインスリンシグナルが活性化され、タンパク質選好的な摂食が認められた。以上より、交尾後と卵巣摘出後の栄養選好性の制御にはインスリンシグナルが関与していることが明らかとなった。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)