2017 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ加工表面に構築した細胞神経回路の活動計測と数値計算を組合せた機能解析法の確立
Project/Area Number |
15J07429
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河野 翔 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ナノテクノロジー / マイクロ加工 / 液中パターニング / 光触媒 / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は約1000億個の神経細胞がお互いに複雑なネットワークを構築し、細胞間の電気的相互作用により機能発現する情報処理システムである。本課題では、ナノ/マイクロ加工を基盤技術とし、任意の位置に神経細胞を配置・接続して生きた神経細胞をパターニングした細胞神経回路を構築し、活動計測することで神経回路の構造と活動の関係を明らかにすることを目的としている。当該年度においては、1) 可視光応答性酸化チタンを用いた表面改質と細胞の液中パターニング、2) 数値計算を用いた単一神経細胞回路の活動シミュレーションを実施した。1)では細胞へのダメージ軽減を目的とした液中細胞パターニング法を開発した。石英基板上に酸素欠損を含んだルチル型酸化チタンを蒸着したところ、この基板が可視光応答性を発現した。この基板上に細胞接着阻害有機膜を成膜し、細胞接着分子であるコラーゲンを添加した生理食塩水中で基板の局部に青色光を照射すると、光照射領域の有機膜が選択的に分解し、そこにコラーゲンが選択的に吸着し、細胞接着を促進した。予め局所的にラット副腎髄質褐色細胞腫を培養しておき、この細胞に隣接して青色光を照射すると、細胞はダメージを受けるなく、光照射領域に伸展した。この技術を神経細胞に適用すれば、自由自在に神経回路を構築することが可能になる。2)では神経細胞回路の活動のモデル化を目的として、数値計算を用いた単一神経細胞の活動シミュレーションを実施した。ホジキンハクスレーモデルとハインドマーシュローズモデルを用い、自身へのフィートバック構造を有する神経細胞回路を計算機上に構築し、活動を計算した。ナノ加工表面に構築した細胞神経回路の活動と比較すると、両者に違いが見られた。これは数理モデルにおいて、実神経細胞に存在するパラメータが欠落していることを示唆している。このパラメータを抽出することで、脳の計算処理様式が解明可能になる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)