2017 Fiscal Year Annual Research Report
拒絶感受性の高い個人が示す社会的排斥に対する判断の歪みとその神経基盤
Project/Area Number |
15J07499
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川本 大史 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 社会的排斥 / 拒絶感受性 / 好奇心 / 不確実さ不耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,次の成果が得られた。 (1)社会的排斥が個人の認知・感情・行動に及ぼす影響について,子ども向けに解説論文を執筆し,受理された(Frontiers for Young Minds)。この解説論文では,社会的排斥に敏感な個人がいることを紹介し,排斥されると暴力や犯罪に結びつく可能性について解説した。この論文を読むことで,社会的排斥が個人に及ぼす影響を理解し,仲間外れや無視が減ることを願っている。(2)認知の歪みについて不確実さ不耐性に着目した研究を行い,論文が受理された(Personality and Individual Differences)。拒絶に敏感な個人が不適応に陥ってしまう一つの原因として,不確実なことが耐えられないためであることが示唆された。
上記に加えて、次の検討を行った。(1)拒絶感受性の認知の歪みを改善する要因として,親の応援に着目した検討を行った。その結果,親の応援がポジティブフィードバックの報酬価値を高め,報酬の処理と関連する事象関連電位成分(RewP)の振幅が増大することが示唆された。この結果は、拒絶感受性研究だけでなく、子どものフィードバック処理の発達について重要な示唆を与えるものである(2)拒絶感受性が高まる要因として、親の子育て疲れ(育児バーンアウト)に着目した。その結果,日本での育児バーンアウトの比率は他国よりも高い可能性が示された。この結果は、拒絶感受性研究だけでなく、現在の日本における親の育児環境や適応について重要な示唆を与えるものである一連の結果は,養育環境が拒絶感受性の高まり,認知の歪みの形成に重要な役割を果たすことを示唆している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)