2015 Fiscal Year Annual Research Report
ホソヒラタムシ科の系統分類および菌―菌食者系における生物間相互作用の解明
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15J07633
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 貴大 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ホソヒラタムシ科 / 分類学 / 系統学 / 菌食者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,分類学的研究に重点を置いた研究計画であった.分類学的研究の調査のために,国内外の研究施設を訪問して,所蔵標本のリスト作成,撮影,借用などを行った(国内:愛媛大学ミュージアム,九州大学.国外:Senckenberg Deutsches Entomologisches Institut(ドイツ),Naturhistorisches Museum Wien(オーストリア),Museo Civico di Storia Naturale(イタリア),Muséum d'histoire naturelle(スイス),Museum National D’Histoire Naturelle(フランス),The Natural History Museum(イギリス)).ヨーロッパの博物館では,各施設に1~2週間ほど滞在して,多くの重要なタイプ標本の調査を実施することができた.また,日本産と台湾産のBrontini族の分類学的再検討と幼生期形態記載を行い,アメリカ昆虫学会誌に出版した.加えて,日本甲虫学会の和文誌に日本産セマルヒラタムシ属の解説記事を出版した. また,九州,沖縄(沖縄本島・宮古島),マレーシア,ラオスで野外調査を実施した.これらの調査の結果,ホソヒラタムシ科の分子系統樹を推定するために重要なDNAサンプルを複数得ることができたほか,いくつかの未記載種も得られた.本研究では,菌―菌食者系の実態解明のために,マイカンギア(菌を貯蔵する器官)と考えられる大顎基部の陥没について,解剖学的なアプローチも計画しており,本年度はそれらのサンプル収集を行った.調査地である福岡県添田町英彦山において,族や亜科の異なる3種を対象として,4月,5月,7月,9月の計4回実施した結果,すべての実施日において,それぞれの対象を十分数採集できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りに進んでいる.特に,ヨーロッパの研究施設における標本調査は,長期間の滞在が実現したため,十分に調査を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
二年目は分子系統樹推定のためのDNAサンプル収集に重点を置く.科全体の系統樹を推定するには,網羅的なサンプリングが望まれるため,世界中のDNAサンプルを収集する必要がある.しかし,すでに,マレーシア,ベトナム,インドネシア,アメリカ,オーストラリアにおける調査の下準備を進めており,無事に全ての調査地で調査許可を得ることができれば,かなり網羅的なサンプリングを実施することが可能となる.これらの調査に加えて,DNA配列決定や超薄切片作成などといった実験やこれまでに判明した分類学的研究の結果に関する論文の執筆・出版を行うとともに,摂食対象の菌の同定方法の確立に試みる.
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Research Products
(6 results)