2016 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル四肢再生芽細胞の脱分化へのアプローチ
Project/Area Number |
15J07688
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水戸川 和正 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 四肢再生 / 過剰肢付加モデル / 脱分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、不完全な四肢再生を行うアフリカツメガルの再生能力を改善することにある。不完全な四肢再生をする無尾両生類アフリカツメガエルを、完全に再生する有尾両生類(アホロートルやイモリ)のような再生に近づけることを目標に、種間の四肢再生能力の比較を行った。 アフリカツメガエル、アホロートルともに四肢を切断すると、切断面に再生芽と呼ばれる未分化な細胞の集団が形成される。昨年までに、再生芽細胞の軟骨分化に注目し、アフリカツメガエル、アホロートルの四肢再生芽の差を検証した。過剰肢付加モデルによる検証の結果、変態後のアフリカツメガエルは完全な再生を行うアホロートルと異なり皮膚由来の再生芽細胞が軟骨分化能をもたないことが示唆された。 次に、変態後のアフリカツメガエルの再生能力を向上させる方法を模索した。通常、変態後のアフリカツメガエルの再生体はスパイクと呼ばれる1本のとがった構造となる。本研究で、外科的に再生芽中の神経の量を増やして再生させてやると、複数の指のような分岐構造を持たせることができ、神経量を増やした再生芽ではいくつかの形態形成関連遺伝子の再発現を確認できた。本年度では、神経量を増やす操作が具体的にどのような分子が作用しているのかを検証した。神経量を増やす代わりにいくつかの神経の代替因子となる候補たんぱく質を再生芽へ導入し、神経量を増やす場合と同様の反応を引き出せるかを検証した。結果分岐構造の形成といった大きな変化の誘導はできなかったが、形態形成遺伝子の発現の変化、内部構造の変化を誘導できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脱分化についてはまだ検証できていないが、神経による再生能力向上のメカニズムを一部明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って進める。
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Research Products
(2 results)