2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J07765
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹中 光 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ベイズ推論 / 第一原理計算 / モデル選択 / 超新星爆発 / 交差検定 / 状態密度 / モンテカルロ法 / 説明変数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,電子状態の第一原理的な理論計算データから,ベイズ推論によって有効モデルを自動的に抽出する枠組みを構築し,さらに広い分野で活用できる手法へと拡張させることを目指すものである.採用第3年度では,本手法のさらなる汎用的な拡張を行うため,物性物理学以外の分野のデータにも適用することによって,その有効性を示すことに取り組んだ.具体的には,まず天文学における超新星爆発のデータに対して本手法を適用した.このデータにおいては,極大等級と呼ばれる物理量がどのような説明変数で記述できるのかが重要な論点となっている.そこで,この問題は有効モデルを抽出するという意味において,採用2年度目までに取り扱っていた物性物理学の問題と同じようなアプローチができると考えた.つまり,ベイズ推論に基づくモデル選択手法が,天文学のデータにも同様に適用できる可能性があることに気が付いた.実際に適用した結果,従来そのデータに対して用いられていたモデル選択基準である交差検定誤差と比較して,本手法で扱うモデル選択基準であるベイズ自由エネルギーの方が潜在構造の抽出に適していることを示した.さらに,全ての説明変数の組合せの状態密度を観測することによって,モデル選択を行う基準となるベイズ自由エネルギーや交差検定誤差にどのような構造があるのかを明らかにすることができた.その際に,全状態の状態密度を観測することが難しいような比較的大きな系においては,採用第2年度目において扱っていたマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いることによって,近似的に状態密度を再構成することができた.以上のように天文データに対して適用した結果は,人工データに対して適用した結果でも同様に確認することができた.これまでの結果をまとめて,1本の査読有り英文学会誌への発表,国内学会で3件の発表,国際学会で1件の発表を行った.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)