2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J07830
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原口 亮介 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 多成分反応 / 炭素5員環合成 / 有機亜鉛反応剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
イソシアナートに対しgem-二亜鉛種を付加させることで、分子内に亜鉛原子を二つ有する新規亜鉛エノラート等価体の調製を既に達成していたので、アレノンと反応させることで分子内に二つの求核部位を有するエノラートアリル亜鉛種を調製した。このエノラートアリル亜鉛種は非常に高い求核性を示し、-60℃の条件においても系中にあるアレノンと反応してしまう。そこで系中にジケトンを共存下反応を行ったところ、エノラートアリル亜鉛種が二回ジケトンに求核付加し、炭素5員環化合物を与えた。生成物はジオール、オレフィン、ケトン部位を有する高度に官能基化されたており、三つの不斉点を有する単一ジアステレオマーとして得られた。反応条件の最適化を行ったところ、-10℃条件下ジケトンとgem-二亜鉛種の混合THF溶液に対し、アレノンを1時間かけて滴下し、その後2時間撹拌することで目的の炭素5員環化合物が99%収率で得られた。最適化された反応条件を用いて、本反応の基質適用範囲を検討したところ、様々な電子求引性、電子供与性置換基を有する芳香族アレノンで本反応は進行する。またアルキルアレノンを用いた場合でも収率はやや低下するものの問題なく反応は進行した。また、ジケトンに関しても様々な置換基を有する芳香族ジケトンが適用可能であった。反応機構考察の実験を行うため、重水素化されたgem-二亜鉛種を用いて本反応を行ったところ、カルボニル基のγ位の4つのプロトンがほぼ50%D化された化合物が得られた。この結果は系中で生成するエノラートアリル亜鉛種のアリル亜鉛部位が非常に速い異性化が起こっていることを示唆している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)