2015 Fiscal Year Annual Research Report
蒸散流へのイオンローディングに着目した根の物質吸収の速度論的評価
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15J07844
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野見山 綾介 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 根の養水分吸収 / 根の呼吸 / 動的モデル / 生体計測 / 環境調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、蒸散流へのイオンローディングに着目して根のイオン吸収の速度論的モデルを構築し、栽培現場における環境調節等へ応用することを目的としている。 本年度は、根域の溶存酸素濃度([DO])に対する根の物質吸収(呼吸、吸水、K+吸収)の応答特性を調査した。[DO]の低下に伴い根の呼吸速度は低下した。吸水速度は[DO] = 4~8 ppmでは有意に変化しなかった。[DO] = 4ppm以下では[DO]の低下に伴い有意に低下し、吸水の呼吸依存性が確認されたが、呼吸をほとんどしない[DO] = 0~1 ppmにおいて[DO] = 7~8 ppm時の約40%しか低下せず、呼吸によるエネルギーが得られなくてもある程度吸水を維持できることが推察された。K+吸収においては、吸水では変化が見られなかった[DO] = 4~8 ppmにおいて、 K+吸収速度は急激に低下し、[DO] = 0~1 ppmではほとんど吸収されなかった。以上、低溶存酸素条件下において蒸散流へのイオンローディング能が低下することが、定量的に示された。 次に、トマト水耕栽培における省資源型肥培管理の視点から、提案した蒸散統合型イオン吸収モデルの応用可能性について検証した。根群の日積算イオン吸収量をモデルで推定し、その量だけ施肥を行うことで、慣行法(一定濃度の水耕液を根の吸水量に応じて施用)に比べ、過剰施肥を回避し肥料の利用効率を向上させたことから、本モデルが環境保全型の肥培管理へ応用可能であることが示唆された。さらに、モデルパラメータの経時変化、温度依存性、昼夜依存性等を、園芸ハウスでの水耕栽培において明らかにした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)