2017 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ振動および反ニュートリノ振動の精密測定による新物理の探索
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15J07852
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古賀 太一朗 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 原子核 / 素粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではニュートリノ振動の精密測定をすることで、標準模型を超える新物理を探索する。T2K実験は世界で最も良い精度でミューニュートリノ振動を観測することに成功しているが、前置検出器(プラスチック)と後置検出器(水)の標的原子核の違いが大きな系統誤差の要因になっている。この誤差を減らすため、本研究では新検出器を開発し、水とプラスチック標的のニュートリノ反応断面積の違いを精密測定する。 今年度は昨年度に確立した水・ニュートリノ反応断面積測定の解析手法を実験グループ内で審査し、測定結果をT2K実験グループの公式なものとした。結果はσH2O = (0.840±0.010(統計誤差) ±0.10(系統誤差)),σH2O/σCH = (1.028±0.016(統計誤差) ±0.053(系統誤差))となり、σH2OおよびσH2O/σCHを世界最高精度で測定することに成功した。また測定結果は理論の予想と誤算の範囲で一致しており、ニュートリノ振動測定にもちいられている原子核反応モデルの信頼性を確かなものとした。 それに加えて、本研究で開発した新水標的検出器WaterModuleと既存のT2K前置検出器ND280で観測されたニュートリノ反応の比較を行った。トラックの本数が1本および3本以上観測されたイベントについてはデータと予測が誤差の範囲で一致したが、2本のイベントについては2.5σ以上の有意性で解離がみられた。これは高運動量の陽子の数が予測値よりも少ないことを示唆しており、ニュートリノ反応モデルの改善の手掛かりとなる重要な測定となった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)