2016 Fiscal Year Annual Research Report
鉄系アモルファス酸化物を対象とした磁気光学効果素子への応用研究
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15J07889
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中塚 祐子 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | アモルファス酸化物 / ファラデー効果 / 鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、短波長磁気光学効果(ファラデー効果)素子への応用可能な材料の創製を目指し、鉄系アモルファス酸化物磁性体の作製、磁気的性質の調査を行った。 4価の鉄イオンを含む酸化物は、強磁性を示すことが知られており、4価の鉄イオンを含むアモルファス酸化物の作製に成功すれば、磁性イオン間の強磁性的相互作用により、大きなファラデー効果を示す材料が得られると予想される。前年度までに、鉄を0.3 mol%ドープしたサンプルについて、4価の鉄イオンがアモルファス酸化物中に存在することを確かめた。今年度はより多くの鉄を含むガラスを溶融急冷法によって作製し、超伝導量子干渉計による磁化測定、メスバウアー分光測定を行った。得られたガラスは2 Kまで常磁性を示した。メスバウアー測定によって得られた異性体シフトの値から、鉄は3価で存在すると考えられる。これらの結果から、高い光学的塩基度を持つ母ガラスを利用して鉄イオンを高酸化状態とする方法では、ごく少量の鉄イオンしか4価の状態にすることができないことが示唆された。これらのガラスは非常に耐水性が低く、大気に曝さない工夫も必要であることが分かった。 前年度までに、アモルファスFeO-SiO2薄膜がアモルファス酸化物材料としては非常に大きなファラデー効果を示し、それが薄膜中に分散する金属鉄クラスターによるものであることを明らかにした。アモルファスFeO-SiO2薄膜の磁性については、平成25年度に既に詳細な調査を行っており、低温でスーパースピングラス転移を示すことを明らかにしている。磁性のデータとファラデー効果の結果を合わせて、磁性に関する再検討を行った。アモルファスFeO-SiO2薄膜は、Fe2+のクラスターによるスーパースピングラス挙動を示すと考えられていたが、Fe0とFe2+のクラスター両方の寄与によるスーパースピングラス挙動であると考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)