2015 Fiscal Year Annual Research Report
無人航空機と地上ネットワークの高度融合による次世代ネットワーク構築に関する研究
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15J08133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
髙石 大介 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 無人航空機 / ネットワーク / リアルタイム性 / ルーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、無人航空機を利用した各種サービス展開への期待が急激に高まっており、特に長距離・高レートのデータを中継するための無人航空機の利用は注目が集まっている.無人航空機を用いたネットワーク構築では、限られた台数の無人航空機が相互に通信を行うで上空へ無線メッシュネットワークを構築する。既存の無線メッシュネットワークとは異なり、無人航空機ネットワークではネットワークを構成する無人航空機が常時移動するため、その移動によってネットワークの特性が大きく変化する。そこで、本研究では、無人航空機ネットワークの特性について解析を行うとともに、地上基地局や地上携帯端末等の地上ネットワークと効率的に連携を行う手法の開発を目指している。 本年度は,現在社会で要求されている無人航空機の利用方法、法整備等の情報収集を実施した。また、無人航空機の利用用途毎にネットワーク形態、課題について検討を実施した。その後、無人航空機ネットワークをネットワーク的特性から分類を行い、今後取り組むべき課題が明確化された。この調査・検討を基に示された課題を解決するために研究を行い、無人航空機が地上端末に対して通信環境を提供するような環境において、通信性能を向上する動的ネットワークの構築手法の提案を実施した。この際、実際の無人航空機間通信リンク、地上-無人航空機間通信リンクの特性を知る必要があったことから、実際の無人航空機(回転翼型及び固定翼型)を利用したフィールド実験を実施し、通信成功率の距離特性等の結果が得られた。今後は、得られたフィールド実験結果を理論モデルに組み込むとともに提案手法の評価実験を実施する。 なお、今後無人航空機の利用が更に増加することは容易に想像でき、そのような環境において複数の無人航空機が1の周波数帯域を効率的に共用する技術開発は大変重要であり、今後の課題の1つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り、無人航空機-無人航空機間通信リンクの性能解析や地上-無人航空機間通信リンクの性能解析、モデル化について取り組んだ。また、構築したモデル上で基本的な手法の提案を行い、性能向上を目指し改善を繰り返し行った。さらに、理論モデルと実際の電波伝搬環境の差についての調査として、実際の無人航空機を用いた通信実験も実施しており、本研究の目的から鑑みてもおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度取り組みを開始した無人航空機の動的軌道制御手法の検討を本格的に始める。利用される環境によって要求されるリアルタイム性や伝送容量が異なるため、提案手法を更に発展し環境に柔軟に対応可能な制御手法の実現を目指す。また、本年度実施した通信リンク品質に関するモデル化検討の結果と実際の電波伝搬モデルを手法に組み込むことで、より実用性の高い手法へと改良を行う。
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