2017 Fiscal Year Annual Research Report
高移動度環状電子輸送材料群の開発と自己組織化による機能発現
Project/Area Number |
15J08167
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡邊 雄一郎 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 有機EL / n型有機半導体 / 分子配向 / 水素結合 / ピリジン |
Outline of Annual Research Achievements |
有機半導体素子の高性能化の手段のひとつに弱い相互作用を利用した能動的な分子配向制御がある。平滑な非晶質膜が必要となる有機EL素子では、結晶化を抑制しつつ配向制御を行う必要がある。初年度から、有機ELデバイスの高性能化に資する一連のピリジン系電子輸送材料を開発してきた。本分子群はピリジン環のCH/N水素結合により、薄膜中で基板に対して水平配向を示すことを多入射角分光エリプソメトリーにより明らかにしてきた。 そこで最終年度である平成29年度は、自己組織化に寄与する分子間水素結合能の起源の探求を目的に研究を行った。分子末端に施したピリジル基の結合位置と分子主骨格形状が与える影響をX線結晶構造解析、多入射角分光エリプソメトリー、および放射光による微小角入射X線回折法(GIWAXD)を用いて体系的に解析した。GIWAXDにより得られた回折ピークの方位角分布と分子間距離の定量的な情報が、精度の高い分子設計指針を与えることを見出した。研究の結果、本系では平面性の高い母骨格を有していても配向の異方性は発現せず、多点に働くピリジル基の弱い分子間水素結合能を付与することで揺らぎの小さい異方的な水平配向膜を形成することが明らかとなった。本分子設計指針を実証する目的でより緻密に分子配向を制御したオリゴピリジンを開発した結果、電界強度5.0 × 10^5 V/cm時に1.8 × 10^(-3) cm2/Vsの電子移動度を達成した。これは、有機EL用n型材料では最高レベルの値である。また、本電子輸送材料の知見を活かし、電子注入材料ビピリジルフェノラートリチウム錯体の開発にも成功した。今後、CH/N水素結合に代表される弱い分子間相互作用を積極的に活用し、更なる高性能有機半導体の創出が期待できる。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)