2015 Fiscal Year Annual Research Report
交代制勤務看護師の健康増進に向けた生体リズムを活用した生活環境の構築
Project/Area Number |
15J08227
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長島 俊輔 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 交代制勤務 / 生体リズム / 光環境 / 仮眠 / メラトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、夜勤後の仮眠時における光環境が生体リズムに影響するかを明らかにするための実験を行った。 高照度下での夜勤はヒトの生体リズムの位相を後退させる。その一方で、日中の高照度光はその位相を前進させる。日本の看護師のためのシフトワークのガイドラインでは、シフトワーカーは生体リズムを乱さないために夜勤後に明るい光を浴びるべきだと示している。しかし、別のページでは夜勤後の仮眠は暗い環境で寝ることを勧めている。本研究の目的は、模擬夜勤後の高照度下での仮眠が生体リズムに及ぼす影響を明らかにすることである。 12人の被験者に3日間の実験を、2条件で参加してもらった。1日目16時に入室後、18時から1時間ごとに唾液検体を採取した。2日目、被験者は模擬夜勤を行い、その後に3000lux以上(Bright)もしくは50lux未満(Dim)の2条件の光で仮眠をとってもらった。仮眠後は1日目と同様に唾液検体を採取した。唾液検体はDim Light Melatonin Onsetの測定のために採取した。1日目と2日目のDLMOの変化を2条件で比較した。 DLMOの変化は2条件で有意な差(p<.05)があり、Bright条件では位相が前進し、Dim条件では位相が後退した。 結論としてDLMOは夜勤後の仮眠時における光環境によって変化することが明らかになった。高照度光は、閉眼状態でも生体リズムに影響を与えていた。そのため、シフトワーカーは、夜勤後のスケジュールに合わせて夜勤後の仮眠時の光環境を適切に選択することでより健康的にシフトワークを行うことができるかもしれない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書通りに実験の実施・解析が終了しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、交代制勤務者を対象に、必須アミノ酸のトリプトファン摂取によるメラトニンホルモンの分泌促進効果を検討する予定であった。しかし、申請者の先行研究によって、トリプトファンがメラトニン分泌に及ぼす影響は、ほとんどないということが明らかになったため、「夜勤中の最適な食事内容を明らかにするための実験」を前倒しで行う。
|
Research Products
(1 results)