2016 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルス粒子内における8種類のRNPの配置の解明
Project/Area Number |
15J08301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中津 寿実保 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / ゲノムパッケージング / 電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景と目的】インフルエンザウイルスは、 (-)鎖1本鎖RNAをゲノムとして持つエンベロープウイルスである。A型およびB型インフルエンザウイルスのゲノムは8本に、C型およびD型ウイルスのゲノムは7本に分節化されており、各RNA分節は、それぞれ核タンパク質(NP)とRNA依存性RNAポリメラーゼと結合し、ribonucleoprptein(RNP)と呼ばれる棒状の構造物を形成する。これまでに、80%以上のA型およびB型ウイルスが8本のRNPをウイルス粒子に取り込むことが報告されている(Nakatsu et al., mBio)。一方で、7分節のゲノムしか持たないC型およびD型インフルエンザウイルスのウイルス粒子が何本のRNPを取り込むのかは明らかになっていない。そこで本研究では、C型およびD型ウイルス粒子内に取り込まれるRNPの本数を明らかにすることを目的とした。
【結果】電子線トモグラフィーにより、C型ウイルスおよびD型ウイルスのウイルス粒子内に取り込まれたRNPを解析したところ、7分節ウイルスであるD型およびC型ウイルスでも、A型およびB型ウイルスと同様に8本のRNPを取り込んだウイルス粒子が70%以上存在していることが明らかになった。残りのウイルス粒子は、7本のRNPを取り込んでいた。
【本研究の重要性】ゲノムが7本に分節化されたC型およびD型ウイルスでも70%以上のウイルスが8本のRNPを取り込んでいたことから、インフルエンザウイルスは、型や株によらず、8本のRNPをウイルス粒子内に取り込む可能性が示唆された。これにより、幅広いウイルス株のゲノムパッケージング機構をターゲットにした新規抗ウイルス薬の開発が期待される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] A broadly reactive human anti-HA monoclonal antibody that inhibits influenza A virus particle release2016
Author(s)
Seiya Yamayoshi, Ryuta Uraki, Mutsumi Ito, Maki Kiso, Sumiho Nakatsu, Kohei Oishi, Atsuhiro Yasuhara, Tadahiro Sasaki, Kazuyoshi Ikuta, Yoshihiro Kawaoka
Organizer
Options XI for the control of influenza
Place of Presentation
Chicago, IL, USA
Year and Date
2016-08-24 – 2016-08-28
Int'l Joint Research
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[Presentation] Characterization of the antigenic properties of influenza A(H1N1)pdm09 virus2016
Author(s)
Atsuhiro Yasuhara, Seiya Yamayoshi, Mutsumi Ito, Ryuta Uraki, Sumiho Nakatsu, Kohei Oishi, Priyanka Soni, Toru Takenaga, Chiharu Kawakami, Emi Takashita, Tadahiro Sasaki, Kazuyoshi Ikuta, Shinya Yamada, Yoshihiro Kawaoka
Organizer
Options XI for the control of influenza
Place of Presentation
Chicago, IL, USA
Year and Date
2016-08-24 – 2016-08-28
Int'l Joint Research