2015 Fiscal Year Annual Research Report
二関節筋の筋機能向上が身体運動パフォーマンスに及ぼす影響
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15J08355
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
江間 諒一 芝浦工業大学, システム理工学, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 二関節筋 / 大腿直筋 / 大腿四頭筋 / アスリート / 多関節運動 / 単関節運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究目的」 本研究では、二関節筋(2つの関節を跨いで骨に付着し、身体運動を生み出すことができる筋の総称)の筋機能を向上させることが、身体運動パフォーマンスを向上させるかどうか調べることを目的とした。本年度は、運動強度が二関節筋の筋活動量に及ぼす影響を明らかにすること(目的1)、およびアスリートを対象とした筋量の量的特徴のデータを取得することにより、競技動作と筋の量的特徴との関係を調べた(目的2)。 「研究方法」 第1の目的を達成するために、複数の運動強度で、多関節運動であるレッグプレス、および単関節運動である膝関節伸展運動を実施し、運動時の大腿部骨格筋の筋活動量を計測した。第2の目的について、大学男女ボート選手、陸上短距離スプリンターおよび一般成人学生を対象として、大腿部のT1強調磁気共鳴画像を取得し、大腿四頭筋各筋の筋体積を算出した。 「研究成果」 第1の目的に関して、高強度でレッグプレスを実施した時における二関節筋である大腿直筋の筋活動量は、低強度で膝関節伸展運動を実施した時のものと差が無かった。すなわち、たとえ筋肥大を誘発するために用いられるような高強度であっても、大腿直筋の筋活動量は非常に小さいことが示された。また、疲労困憊まで多関節運動を実施したとしても、大腿直筋の筋活動量はほとんど変化しなかった。第2の目的について、男子・女子ボート選手ともに、顕著に肥大した大腿四頭筋を有していたものの、大腿直筋の筋量は一般成人と同程度しかなかった。また、1年間のボートトレーニングによる筋量の変化は、大腿直筋には生じていなかった。さらに、大腿直筋の量的特徴と膝関節アライメントの性差に関連はみられなかった。以上の研究結果から、膝関節と股関節を同時に伸展させるような多関節動作は大腿直筋の筋機能を向上させない可能性が示された。スプリンターについては詳細なデータ分析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部実験において、機材トラブルの発生および仮説検証のための方法論の見直しが必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
方法論を速やかに修正し、実験を継続できるようにする。
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Research Products
(3 results)