2015 Fiscal Year Annual Research Report
走査型顕微光散乱法を用いた三次元内部構造スキャナの開発
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15J08392
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡邉 洋輔 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | スキャナ / 動的光散乱 / 高分子ゲル / 内部構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は三次元内部構造スキャナの開発と既存の走査型顕微光散乱で生体ゲルの観察を中心に研究し、その成果は共同発明者であるR社とともに特許として出願する。
1.三次元内構造スキャナの開発に当たり、対象となる試料として生体ゲルを仮定していたところ、非侵襲・非破壊性に、培養ディッシュ中の生きたままの細胞集団(細胞コロニーなど)や細胞内部の力学特性に関する情報がその場計測できるシステムの要望がR社からいただき、共同で生体ゲルの光散乱測定と測定装置の最適化を行った。細胞種によって結果が異なることが示唆され、装置の有用性を確認できた。 2.本装置は本研究室内で同時期に開発されている3Dゲルプリンタと組み合わせて使用することで、スキャンしたデータの再現、もしくはプリンティングしたものの検査装置としての展開を考えている。そのため、ゲルスキャナに関しての記事を学会誌に1報と書籍の1節に寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オリジナルの測定装置の開発の際に、人工の合成ゲルに加え生体を測定対象と仮定しており、異分野ながらも将来のユーザーとなり得る共同研究者とともに装置の最適化を行い、成果を共同発明として特許としてまとめている。しかしながら、細かい成果はさらに結果を精査する必要があり、開発したシステムを応用して生体以外の試料を測定したものは今後の発表、論文執筆を予定している。3Dスキャナのみならず3Dプリンタの組み合わせも想定しており、アウトリーチ活動では3Dプリンタに触れて情報を積極的に集めている。 以上から研究進捗は順調とはいかないものの、着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
装置のハード面として、高電圧を必要としない処理装置の組み込みやサンプルへの照射部分を暗視野型にすることでコンパクト化を検討する。さらに、結果を細かく精査するために恒温装置と組み込みを行い、まずは人工のゲルから得られた実験結果を論文としてまとめる。 三次元の計測データの処理方法としては、デジタルファブリケーションに関する国際会議において3Dデータの新しい国際的ファイルフォーマットAMFに関する発表にヒントを得、ボクセルデータ内に内部構造の情報をメタデータとして記述する方式を模索する。
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Research Products
(4 results)