2016 Fiscal Year Annual Research Report
ユーゴスラヴィア王国における極右政治組織ウスタシャの民族イデオロギーと政治的暴力
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15J08473
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門間 卓也 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | クロアチア / ウスタシャ / ファシズム / ナショナリズム / 青年組織 / 知識人 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度はウスタシャ運動のクロアチア民族社会内部における「受容」の問題について扱うため、ウスタシャが政権を担ったクロアチア独立国期の展開に焦点をあてて研究を進めた。特に「知識人層」「青年層」を軸とした思想的ネットワークの構築に係り、青年教化組織「ウスタシャ青年団」の活動に注目した。加えて、民族教化に社会的実践の文脈から携わった「知識人」の言説の分析に取り組んだ。 その結果、まずウスタシャ青年団の「教化」を通じて学生層内部で「政治エリート」として国家主義的イデオロギーに即した急進化の動きが見られたことを明らかにした。一方、週刊新聞『スプレムノスト』周辺の「知識人」はむしろウスタシャの掲げる国家像及び民族像と距離を置きながら独自のプロパガンダを実践していたことが分かった。この「知識人」及び「青年層」からなる「ナショナリスト」間の思想的分裂について、学会誌『ロシア・東欧研究』への投稿論文としてまとめた(同誌45号掲載予定)。 またこうしたウスタシャ運動内部の「思想的重層性」について「下から」の文脈を検討するために、学校教育現場、とりわけウスタシャ青年団による介入に対する「学校教師」の政治姿勢について分析を進めた。その結果教員の間でもウスタシャの強権的な姿勢に反発する動きが拡大する様子を確認出来た。この「国家―学校」間の緊張関係の露呈は、クロアチア独立国の統治体制及びウスタシャ運動の政治的性格について再考する重要な素材になるだろう。 2016年4月及び2017年3月にザグレブ(クロアチア)に滞在し、上記の主題に即して国立文書館などで史料収集を行った。その際特にクロアチア独立国民族教育省文書にあたり教化イデオロギーの社会的実践について検討した。研究内容に係る発表は今年度を通じて国内外で複数回行っている。同研究テーマを含めて本研究課題の成果は平成29年度提出予定の博士論文にまとめる予定。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)