2018 Fiscal Year Annual Research Report
オキシトシン作用機序を手がかりに新たな自閉症治療標的を示す橋渡し研究
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15J08536
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤(ベナー) 聖子 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2019-03-31
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Keywords | オキシトシン / ASD / マウス行動解析 / IntelliCage |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自閉症スペクトラム症(ASD)の中核症状治療薬の候補であるオキシトシンの薬理作用機序を明らかにし、より効果的な投与補条件やあらたな治療標的を探索することが目的である。アプローチとして、オキシトシンのASD中核症状に対する効果とそのメカニズムの新知見を得るために有用な評価系を開発し、マウスでASD 様行動表現型の検出、ならびにそのオキシトシン投与効果評価するための試験プロトコルと投与条件を確立、薬剤投与モデル等による妥当性検討を行い改良を重ねてきた。本年度までに、全自動マウス集団飼育型試験装置インテリケージ・システムをベースとし、臨床データとの対応性に優れるマウス実験評価法によりヒトとマウスに共通するエビデンスを探索してきた。その成果として、ASD中核症状のひとつである社会性行動をマウスで評価する際に結果の妥当性を揺るがす大きな交絡要因となる実験者の介入を低減させ、より精度の優れた薬剤影響評価法として、全自動で投与と行動試験が実施可能な新技術の確立に成功し、野生型マウスでオキシトシン感受性の高い社会性行動表現型、ならびに最適なオキシトシン投与条件を同定した(第28 回日本臨床精神神経薬理学会・第48 回日本神経精神薬理学会合同年会発表)。特定のASD モデルマウスでは野生型マウスと異なるオキシトシン反応曲線を有することを示唆する結果を得て、臨床で想定される低感受性集団の生物学的基盤に迫る知見を得ることが出来た。さらに、もうひとつのASD 中核症状であるRRB に対応する行動表現型の評価のための新規プロトコルを開発導入し、臨床研究の知見と対応する現象をモデルマウスで確認することに成功したことに大きな成果があった(論文投稿準備中)。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)