2015 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ信号処理に基づく非局所性フィルタリングを利用した画像復元手法
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15J08568
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小貫 真希 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | グラフ信号処理 / 画像処理 / 平均二乗誤差の不偏推定 / 平滑化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,発展途上の理論であるグラフ信号処理を画像復元問題に応用し,さらにグラフ信号処理自体の基礎理論発展を行うことを目的としている.平成27年度は,グラフ信号処理において解決すべき課題である「最適な辺の重み決定法」について主に研究を行った. 画像上に存在するノイズを除去するために,トライラテラルフィルタなどの平滑化フィルタが画像処理分野で用いられる.修士までの研究において,無向グラフの辺の重みをトライラテラルフィルタのフィルタ係数を使用すれば,グラフ信号処理の知見を利用することが可能であることを示した.しかし,このフィルタ係数は画像ごとに最適な値を決定していないため,最適な辺の重みとはなっていない.最適な辺の重みを決定するために,本研究では,原画像と再構成画像の平均二乗誤差が最小となるように決定する手法を提案した.実際には,原画像の情報は使用できないため,平均二乗誤差の推定法を提案し,それを最小化することで近似的に辺の重みを最適化した.実験において,本手法を画像のノイズ除去に適用し,従来手法よりも良好なノイズ除去が可能であることを示した. さらに,平成27年度において,上述した手法を画像以外にも適用可能な形に拡張した.この拡張のおかげで,任意のグラフ信号のノイズ除去を行うことが可能となり,さらに3Dモデルのノイズ除去にも適用可能にした.実験結果では,従来法における結果よりも,視覚的に理想的な信号に近い推定信号を得られた. 以上の理論と実験結果をまとめた論文を平成27年度中に,IEEE Transactions on Signal and Information Processing over Networksに投稿し,年度内に採録が決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,最適な辺の重み決定法を提案し,それの有効性を示した.さらに,画像以外にも適用可能な形に一般化し有効性が確認できた.当初は,画像処理に適用可能な形のみを考えていたため,このような一般化は期待以上の結果と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の目的にも示したとおり,最適なグラフ構造の設計法を提案する予定である.現在,有向グラフでグラフ信号処理の知見が適用可能かが明らかになっていないため,それを研究中である.
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Research Products
(8 results)