2016 Fiscal Year Annual Research Report
福島原発事故下での幼児の遊び環境回復に向けた社会的支援モデルの構築
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15J09072
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 海帆 日本女子大学, 人間生活学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 福島 / 原発事故 / 放射線 / 子ども / 遊び環境 / 生活経営 / 生活資源コントロール / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、生活資源コントロール論やエンパワメント論に基づいて、今後に向けて福島原発事故下での幼児の遊び環境回復に向けた社会的支援モデルを構築することを目的としており、福島県いわき市の未就学児の保護者2,208名を対象とした震災から4年半後の遊び環境についてのアンケート調査(回収率60.4%)の結果について、分析・考察・提言・モデル化を行うことを計画し、実施した。 研究の成果の具体的な内容は、以下の通りである。 1、屋内遊び場の利用や保養の参加は、利用や参加の頻度に応じて、子育て家庭の生活に変化をもたらし、子育て家庭の生活資源コントロールの可能性を高めていることが明らかになった。 2、積極的な生活意識をもっている保護者は、より良い遊び環境を生活資源として活用しているという特徴があり、エンパワメントの必要性が明らかになった。 3、上記の結果について、生活の枠組み理論に基づき分析したところ、外部的条件(遊び環境)が突然奪われた際の内部的条件(生活意識)への影響および内部的条件(生活意識)のあり様が外部的条件(遊び環境)の獲得に与える影響の両側面を実証することができた。 以上により得られた提言をもとに、原発事故下での幼児の遊び環境回復に向けた社会的支援モデルを構築することができ、本研究の目的は達成された。 これまでに、生活資源コントロール論やエンパワメント論の枠組みについての研究がなされてきていたが、本研究では、調査結果を用いて実証的に明らかにしたところに意義がある。さらに、生活の枠組み理論に基づいた分析を行うことにより、外部的条件と内部的条件の両側面の影響を明らかにしたことに意義があり、今後、福島の子育て家庭に対する社会的な支援のあり方を模索していくうえで、重要な示唆が得られた。平成28年度は、論文(2報)、学会発表(2報)としてこれまでの成果を公表した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)