2016 Fiscal Year Annual Research Report
小惑星探査高効率化のための形状・運動自動推定および自動画像航法
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15J09172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武石 直也 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 小惑星探査 / SLAM |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、実際の小惑星探査ミッションでの使用をさらに考慮に入れたアルゴリズムを開発するため、次のような現実的な枠組みを想定した研究を行った。すなわち、小惑星の形状および自転パラメータ、ならびに小惑星探査機の相対位置および姿勢を、探査機に搭載された単眼カメラによる画像、姿勢センサ(スタートラッカ、太陽センサなど)の観測値、および慣性センサ(加速度計、ジャイロなど)の観測値を利用して推定するという問題設定を定義し、そのための推定アルゴリズムを開発した。また、正確な形状等推定に必要な実際的状況に関する議論も行った(例えば、可観測性を満たすために小惑星表面の大部分が比較的短い時間で観測される必要がある、など)。 具体的対外成果としては、2016年6月に中国・北京にて行われた宇宙ミッションでの人工知能等の利用に関する国際会議である The International Symposium on Artificial Intelligence, Robotics and Automation in Space (i-SAIRAS) において、上記アルゴリズムなどについて発表を行い、宇宙ロボティクスに携わる複数の研究者から有益なフィードバックを得た。さらに、上記アルゴリズムに基づく総合的な推定手法についてまとめ、論文を投稿した(現在、査読中)。また、上記アルゴリズムの実装をオンラインで公開するための準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、実際の小惑星探査ミッションを視野に入れたアルゴリズムのための基礎となる計算手法を確立し、簡単な実験等を行うことができた。また、共同研究先との議論やデータ提供をうけ、提案アルゴリズムを詳細に検証する環境が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発したアルゴリズムは、人工的データによる精度検証等は行っているものの、実際の小惑星探査になるべく近いようなデータを用いるには至っていない。そのようなデータを生成するためには高度なシミュレータが必要であり、さらなる検討が必要である。そこで、今後の研究の中心となる方策は、実際の小惑星探査の状況に近いデータをシミュレートし、提案アルゴリズムのフィージビリティを検証することである。
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Research Products
(1 results)