2017 Fiscal Year Annual Research Report
生体深部の分子挙動を無染色可視化する誘導ラマン散乱顕微鏡開発と薬物機能評価
Project/Area Number |
15J09208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 祐太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 誘導ラマン散乱顕微鏡 / 無染色可視化 / 細胞スクリーニング / 高速イメージング / バイオフォトニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
マルチカラー誘導ラマン散乱(SRS)顕微法は,複数周波数における分子振動を検出することで,生体内の複数の構成成分を無標識可視化する手法である.生きて動く細胞や組織を観察するためには,イメージング速度を高め,モーションアーティファクトを抑えることが重要である.しかし,従来はレーザの波長切り替え時間,レーザ強度,ロックイン帯域等によってイメージング速度が制限されてきた。本研究では波長を高速に切り替えることの可能な光源を用いた高速なマルチカラーSRSイメージングを開発している。H29年度では、H28年度に引き続き、誘導ラマン散乱顕微鏡システムの高速化を進めた。その過程で、誘導ラマン散乱顕微鏡を、高スループットに1細胞解析を行うフローサイトメトリーに応用して、血液による癌診断や、高効率にバイオ燃料の生産を行う微細藻類細胞の開発といった魅力的な応用を展開できることが分かった。本研究では、H28年度に波長を高速に切り替えることの可能な光源を用いて高速なマルチカラーSRS顕微イメージングを実証している。この顕微鏡のフローサイトメトリーとしての応用可能性を検討するため、微細藻類や血中に含まれる様々な細胞の観察実験を行った。その結果、微細藻類中では脂質、タンパク質、糖類、葉緑素などの成分が、血液細胞ではタンパク質、脂質などの成分が、誘導ラマン散乱顕微鏡を用いて無染色可視化できることが実証できた。さらに、本顕微鏡の高速可視化性能を駆使することで、これらの細胞をハイスループットに画像化できることも実証した。これは細胞の高速スクリーニングの応用に有力であることを示す結果である。また、以前の光源のスペクトルには干渉縞が含まれておりさらなるパルス品質の向上が必要であったが、今回、光源の構成を変更することでこの干渉縞を除去することにも成功している。現在、本結果の論文化を進めている。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)