2015 Fiscal Year Annual Research Report
毛髪内部コルテックスのダメージ改善を目的とした脂質ナノ粒子のヘアケア分野への応用
Project/Area Number |
15J09243
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
舟越 由香 静岡県立大学, 薬食生命科学総合学府, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
Keywords | 脂質ナノ粒子 / 毛髪 / 超高圧乳化分散法 |
Outline of Annual Research Achievements |
保湿有効成分のナノ粒子化により、毛髪内部への浸透およびキューティクル表面への付着性増大による毛髪内部損傷の改善を目的として、ロール混合粉砕法と超高圧乳化分散法により、中性リン脂質の水素添加大豆レシチン (HSPC) と負電荷を持つジパルミトイルホスファチジルグリセロール (DPPG) または正電荷を持つオクタデシルアミンの混合物を担体とした脂質ナノ粒子を調製し、毛髪への作用を評価した。保湿成分セラミド3を封入した負電荷脂質ナノ粒子 (HSPC/DPPG)、正電荷脂質ナノ粒子 (HSPC/オクタデシルアミン) の平均粒子径は負電荷粒子で102 nm、正電荷粒子で106 nmを示した。ゼータ電位はそれぞれ-56.6 mV、57.0 mVを示し、静電気的反発を示すのに十分な値が得られた。ブリーチ処理を施した損傷毛髪は走査型電子顕微鏡による観察より、毛髪表面を覆うキューティクルがめくれ上がっている状態やキューティクルがはがれて内部が露出している状態、また顕著な枝毛等、視覚的にダメージを観察でき、その水分量は未処理の毛髪と比較して低下した。この損傷毛髪を負電荷または正電荷セラミド3封入脂質ナノ粒子懸濁液に浸漬し、風乾すると、コントロールとして蒸留水に浸漬させた損傷毛髪と比較して、キューティクルが滑らかになり、改善されている傾向が観察できた。また、毛髪の水分量は脂質ナノ粒子懸濁液への浸漬により上昇した。今回行ったすべての条件において、毛髪水分量の値に電荷による有意な差異は認められず、損傷毛髪の水分量を上昇させた。これらの結果から、本脂質ナノ粒子は、損傷毛髪の保湿による改質に効果を示し、損傷進行を抑制することが示唆された。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)