2015 Fiscal Year Annual Research Report
地名に関する文化地理学的考察:米国における黒人を記念した場所を事例に
Project/Area Number |
15J09335
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北田 依利 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 文化地理学 / 都市研究 / アメリカ研究 / 記憶 / 人種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、公共空間に設置された記念碑の一形態として場所の名付けに着目し、米国において黒人を記念した場所が持つ政治的・社会的意義を、文化地理学の視点から明らかにすることを目指す。具体的には、黒人に因んだ地名の集中が継続的に見られたニューヨーク市の伝統的な黒人地区に焦点を当て、こうした地域の1970年代以降の変遷と多くの黒人を記念した地名、住民の相互作用により、どのような空間が形成されてきたかを、資料収集とフィールドワークにより検証する。さらに黒人の地名の増加のグローバルな影響についても調査する。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの名前が、米国外でも公共空間に記念されていることはほとんど研究されていない。ネルソン・マンデラの事例と比較しながら、英雄の記念が含意する、人権や民主主義概念の広がりと合わせて調査している。以下に2015年度の成果を示す。 【学会報告】 国内では2016年2月にエスニック・マイノリティ研究会にて、国外では2015年4月にアメリカ地理学会、9月にヨーロッパ地理学会、2016年1月にアメリカ名前学会(アメリカ言語学学会と共同開催)にて報告を行った。4月のアメリカ地理学会ではセッションを企画し司会も務めた。本報告は、当学会の大学院生分科会より「プロフェッショナル・デヴェロップメント・アワード」という賞を授けられている。 【現地調査】 米国ニューヨーク市にて、2015年4月および2016年1月にそれぞれ1-2週間の資料調査および聞き取り調査を行った。黒人の名を冠した場所のグローバルな側面に関する研究の一環として、2015年9月にはドイツのマインツ市、ボン市、およびベルリン市にて10日間ほどの資料調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査を行い、成果を学会などで発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き資料の収集に努めるとともに、成果を活字業績として発表したい。
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Research Products
(6 results)