2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域包括支援センターを対象とした認知症が疑われる高齢者への受診援助に関する研究
Project/Area Number |
15J09472
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
杉山 京 岡山県立大学, 保健福祉学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症 / 受診 / 地域包括支援センター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域包括支援センターの専門職における認知症が疑われる高齢者への鑑別診断等の実現に向けた受診援助の具体的内容とそれらを促進・阻害する要因を明らかにすることを目的とした。 平成27年度は、次年度に予定しているアンケート調査に先立ち、認知症が疑われる高齢者の早期発見・早期受診に関連する既存の研究の文献レビューおよび地域包括支援センターの専門職に対してインタビュー調査を実施した。 前者については、以下の3つの段階を経て、研究を実施した。具体的には、第一に認知症が疑われる高齢者の鑑別診断等の実現に向けた受診の過程において携わることが推測される専門職・非専門職を選定した。第二に、選定した人・機関が果たすべき役割をインボランタリー・クライエントへのアプローチに関する理論研究を参考に検討を行い、第三に、認知症受診における当事者主体の専門職・非専門職による受診連携システムの理論モデルの構築を行った。 後者については、調査時点において過去1年以内に認知症が疑われる高齢者への受診援助を実践した経験を有し、かつ認知症の受診援助における先駆的モデル事業等を実施している地域包括支援センターの専門職を選定し、大阪府、岡山県等の5県10センター、13人の専門職(社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員、認知症地域支援推進員ほか)を対象に調査を実施した。その結果、地域包括支援センターの専門職が認知症が疑われる高齢者やその家族へ実践している「直接援助」、医療機関等との連携行為等の「間接援助」の具体的内容が明らかになり、それらを促進・阻害する要因についても把握できた。 現在は、上記により得られた知見等を整理しながら、次年度実施予定であるアンケート調査の実施に向けた体制を整えているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、平成27年度中に「文献レビュー」と「インタビュー調査」に合わせて、次年度実施予定である「アンケート調査」に向けた体制を整えている予定であったが、アンケート調査実施に係る倫理審査会の開催日の関係もあり、平成27年度中に調査票の印刷のみを完了することができなかったことから、当初想定した研究計画よりもやや遅れている状況にあるといえる。しかしながら、当初よりアンケート調査の実施については余裕をもって計画を立てていたことから、次年度中に当初の研究計画通りに研究を進展できるものと考えている。 なお「文献レビュー」ならびに「インタビュー調査」に係る研究成果については、学術雑誌への掲載ならびに学会発表が決定しており、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は国内における地域包括支援センターの専門職を対象にアンケート調査を実施する。地域包括支援センターの専門職における認知症が疑われる高齢者の鑑別診断等の実現に向けた受診援助の実践状況とそれらの促進・阻害要因について、詳細に検討していく予定である。加えて、インタビュー調査によって得られたデータに関しても、今後より詳細な分析・検討を行い、広く社会に発信すべく論文投稿等していく予定である。
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Research Products
(4 results)