2016 Fiscal Year Annual Research Report
地域包括支援センターを対象とした認知症が疑われる高齢者への受診援助に関する研究
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15J09472
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
杉山 京 岡山県立大学, 保健福祉学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 地域包括支援センター / 認知症 / 受診援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は当初の研究計画どおり、平成27年度に実施した「インタビュー調査」による研究結果に基づき、地域包括支援センターの専門職による認知症が疑われる高齢者への受診援助の実践を促進・阻害する要因を明らかにすることを目的に「アンケート調査」を実施した。 35都道府県内に設置されている地域包括支援センターのうち、2,000か所を無作為抽出し、各センターに3通ずつ、計6,000人を対象にアンケート調査を実施した。その結果、地域包括支援センターの専門職が認知症が疑われる高齢者を発見するために構築しているネットワークの構造が明らかになった。また、認知症が疑われる高齢者の鑑別診断のための受診援助における「かかりつけ医との連携」「認知症専門医のいる医療機関との連携」といった各々の実践に関連する要因が確認された。なおこれらの研究成果の一部については、日本老年精神医学会の学術誌「老年精神医学雑誌」に論文投稿を行い、28巻1号に掲載されるとともに、第18回日本認知症ケア学会大会(沖縄県)ならびに第32回日本老年精神医学会(愛知県)にて学会発表をすべく、準備を進めているところである。 また平成27年度の「インタビュー調査」による研究成果についても、第17回日本認知症ケア学会大会(神戸国際展示場)で学会発表を行い、現在論文投稿中である。 現在は「インタビュー調査」ならびに「アンケート調査」により収集されたデータを詳細に分析するとともに、平成29年度に実施予定の調査に向けた準備を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画どおり、地域包括支援センターの専門職を対象とした「アンケート調査」を実施しすることができた。 また「インタビュー調査」「アンケート調査」による研究成果は、報告書の配付、学会発表、学術誌への論文掲載などを通して随時公表できており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施したアンケート調査では、熊本県ならびに大分県で震度7を観測した震災による影響を鑑み、九州地方ならびに四国地方をその調査対象とする地域から除外した。また調査対象者への負担軽減のため、インタビュー調査において明らかとなった受診援助に関連するであろう要因について、十分な検討が難しかった。そのため平成29年度は、平成27年度、平成28年度に実施した調査結果を踏まえ、より実証的な知見を得るため、全国47都道府県の地域包括支援センターを対象にアンケート調査を実施する。本調査の実施に際しては、より多くの専門職から回答を得るため、Webを用いた調査法を実施する予定である。 さらに平成27年度、平成28年度に収集したデータについて、より詳細な分析を継続して実施するとともに、広く社会に発信すべく学会発表や論文投稿等をする予定である。
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Research Products
(9 results)