2015 Fiscal Year Annual Research Report
運動学習中のパターン探索の機能的意義と神経メカニズム
Project/Area Number |
15J09948
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上村 卓也 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 系列行動 / 系列発声 / 機械学習 / 数理モデル / 神経生理 / 神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動物がなぜ運動学習の際に探索行動をとるのかという疑問に答えるために、鳴禽の一種であるジュウシマツを用いて研究を行った。ジュウシマツのさえずりでは、出現する要素の順序にばらつきがある。私は、次の研究1から4によって、系列のばらつきの機能的意義とばらつきを生成する神経メカニズムを検討した。 研究1:さえずり中の要素の自動認識。私はまず、さえずりのパターンを効率良く解析するために、機械学習を用いたさえずり要素の自動認識手法を確立した。さらに、認識精度を正しく評価するための指標を新たに考案した。この研究について、学術論文として投稿した。 研究2:要素の系列規則のモデル化。ジュウシマツの歌文法は複雑が故に、観測された要素系列から背後にある生成規則を推定することが簡単ではない。よって、観測された系列を数理モデルにより客観的にわかりやすく記述することが重要である。本研究では、8種類のモデルを系統的に比較することにより、ジュウシマツのさえずりを表現するのに適したモデルを選択した。 研究3:系列規則の時間帯による変化。系列のばらつきの機能的意義を調べるために、数日間にわたって記録したさえずりの系列規則を上記の方法でモデル化し、系列規則の変化を定量した。その結果、要素系列が時間帯や日によって変動し、時間帯による変動が日をまたいで類似することがわかった。この結果から、ジュウシマツのさえずりが概日リズムやその日の調子などの個体の状態に影響を受ける可能性が示唆された。 研究4:系列パターンを生成する神経メカニズム。最後に、研究2の結果を考慮し、より実際の神経活動との対応がわかりやすい要素系列のモデルを考案した。さらに、自身のさえずりを聴いているときの神経活動を解析し、モデルの生物学的妥当性を検討した。その結果、モデルの内部状態と相関する神経活動が存在することがわかった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)