2015 Fiscal Year Annual Research Report
Claudin-5 binderによる薬物脳内移行性向上戦略の確立
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15J10065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 洋佑 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | Claudin-5 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、claudin-5の細胞外領域を認識する抗claudin-5抗体を創出し、「claudin-5 binderを用いて血液脳関門を制御し、薬物をより脳に送達させる戦略」の確立を行い、中枢神経系疾患の治療効率の向上に寄与できるかを検討することを目的とする。本提案は、claudin binderを用いることで、claudinにより構成された、細胞間隙を密封するために存在するtight junctionが可逆的に制御され、細胞間隙を介した薬物輸送を可能とする、という当研究室が明らかにしてきた知見に基づく。特にclaudin-5は、血液脳関門を構成する細胞で多く発現しており、その欠失は特定の分子量以下の分子の透過を許容する血液脳関門を形成することが分かっている。そのような根拠より、本検討ではclaudin-5 binderを用いて血液脳関門の可逆的制御を目指す。 現在、研究代表者の知り得る限り、claudin-5へ特異的に結合する分子は存在しない。そのため、本研究を遂行するには、claudin-5 binderを自ら作製する必要性が有る。このclaudin-5 binderとしては、研究代表者がモノクローナル抗体作製技術を有していることもあり、抗体を第一選択肢として考えている。本年度では、抗claudin-5抗体取得条件の最適化を、抗claudin-4抗体を取得する過程で行った。この過程により、免疫原、免疫スケジュール及び抗体産出ハイブリドーマの培養条件の最適化に成功した。この際、取得した抗claudin-4抗体のclaudin-4への結合特異性、及びその腫瘍標的抗体としての有用性はEuropean Cancer Congress 2015で発表を行った。次年度では、この最適化した条件を用いて抗claudin-5抗体の創製を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗体の取得難易度が高いとされる複数回膜貫通タンパク質に対する抗体を実際に取得できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度では、27年度で行ったclaudin-4を免疫した際の免疫条件で、claudin-5抗体の免疫を行い、抗体の取得を目指す。
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Research Products
(2 results)