2018 Fiscal Year Annual Research Report
維管束植物の篩管の中空化におけるオルガネラ・リロケーションの制御機構
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15J10272
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮島 かおり 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-10 – 2019-03-31
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Keywords | 維管束 / 篩要素 / オルガネラ・リロケーション / 細胞分化 / シロイヌナズナ / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
維管束植物では、篩要素細胞の細胞内で光合成産物などが輸送される。そのため、篩要素細胞は効率的な輸送のために、細胞分化過程で核消失や細胞質基質の希釈を経て中空化する。また、若い篩要素細胞では細胞質に散在していたミトコンドリアや細胞内膜系などのオルガネラが、篩要素の最終分化に伴って核近傍または細胞膜周辺部に集められる、オルガネラ・リロケーションが起こる。本研究期間のこれまでの研究により、オルガネラ・リロケーション時に、微小管が細胞内膜系に囲まれているという新規性の高い構造体が一過的に形成されることが観察されていた。本年度、微小管と小胞体(ER)の同時可視化を行った結果、この微小管構造がERのシグナルと共局在する様子が観察された。これにより、篩要素の最終分化前に見出していた微小管と細胞内膜系からなる新規構造体は、微小管とERを含む構造体であることが明らかになった。 また、昨年までに、篩要素特異的に微小管形成を阻害すると核消失や細胞質基質の希釈を伴う細胞分化に異常が現れることを複数の系によって確かめていたが、本年度は、昨年度までの系を検証する、さらに別のコンストラクトを用いても同様の異常が出ることを明らかにした。このことから、微小管形成が正常な篩要素の細胞分化に必要であることが強く示唆された。 また本年度は、昨年度までの定性的な解析に加え、篩要素特異的に微小管形成を阻害する系において見られる篩要素の核消失や細胞質基質の希釈の遅延を定量的に検証した。これには核消失が起こる篩要素細胞の長軸方向の長さや近隣の皮層細胞の長軸方向の長さを測定し、篩要素特異的に微小管形成を阻害すると、野生型に比べて篩要素の細胞分化が遅延する様子が確かめられた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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