2016 Fiscal Year Annual Research Report
セリン含有ペプチドの位置選択的解裂によるペプチド短縮反応
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15J10436
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
早阪 茉奈美 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 有機触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
セリンの認識の精度を上げるため触媒のリガンド及びエステル基の検討を行うこととした。そこで、がんDNA転写メカニズムにセリンが関係することから抗がん作用を示す天然物を触媒に導入することで強力な分子認識を持たせることができるのではないかと考え、リガンド候補として、抗癌活性を有するアルカロイドtylophorine 類をターゲットとすることとした。がん発生は、InBキナーゼによるInBのセリン残基 (Ser32, 36) リン酸化を受け、ユビキチン化を経てNF-nBはInBから離れてDNA転写をする。Fig.1に示すような抗癌活性をもつ化合物をリガンドとすることで、InBのセリン残基と特異的に水素結合し脱離させることができれば転写を抑制できると期待し、新しいリガンドの合成を進め達成した。事前に調整したケトンとし、ボロン酸との鈴木‐宮浦クロスカップリング反応によりビアリールを好収率で得た。種々検討の結果、ビアリールをDME中refluxさせ、KHMDSを加えることで95%という高収率でシクロブタノール形成反応が進行し、縮環シクロブタノール骨格の構築に成功した。また、TBAFによるTBS基の除去により、ジオールを与えた。次に、ジオールの一級水酸基をトシル化しNaHを用いてノシルアミド基を有する中間体を70%収率で得た(Scheme 2)。得られた中間体に対してTfOHを作用させると、速やかに環縮小転位および求核的環開裂反応が進行し、環状化合物が得られた。この環状化合物は精製せずに次のノシル基の脱保護、Pictet-Spengler反応に付すことで、低収率ながらE環の環数の異なるtylophorine類縁体 (1, 2)への変換に成功した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)