2015 Fiscal Year Annual Research Report
携帯デバイス用小型で高性能な察知エージェントの設計に関する研究
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15J10477
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
金田 祐也 会津大学, 大学院コンピュータ理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 判別境界作成 / ニューラルネットワーク / サポートベクターマシン / オンライン学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,私が過去に提案した判別境界作成(DBM: Decision Boundary Making)アルゴリズムのオンライン学習に焦点を置いた研究を行った.本研究の課題点は,オンライン学習によるモデル更新時の精度の安定性と,計算コストにある. DBMアルゴリズムは,携帯端末上で機械学習モデルを基にした察知エージェントを活用する為に,小型で高性能な機械学習モデルを設計する為の手法である.又,オンライン学習は,機械学習の学習方法の一種であり,少数のデータを与えて機械学習モデルを更新する事を繰り返し,機械学習モデルを設計する手法である.従来のオンライン学習法は,乱数で初期化された機械学習モデルを更新する方法であるが,本研究では,DBMアルゴリズムで得られた機械学習モデルを更新する事に焦点を置いている.その際,従来のオンライン学習と比較して,更新途中で機械学習モデルの精度が低下する可能性が高い.本研究では,機械学習モデルをユーザが利用し,得られたデータを用いて機械学習モデルを即時に更新する事を目的としている為,精度が低下すれば,機械学習モデルに対する信頼性が低下する事になる.又,携帯端末上で即時に更新を行う為には,計算コストが低くある事が必要である. 問題解決の為に,文献の調査,従来手法の実装と実験,及び新手法の提案を行った.DBMアルゴリズムでは,識別モデルとして多層パーセプトロン(MLP: Multilayer Perceptron)を利用している事から,MLPを中心とした従来手法の文献の調査をした.誤差逆伝播法を始めとし,様々な方法と設定を用いて実験を行った.そして,更新時に複数の既知データと新たな観測データを用いて更新を行うガイドデータを用いたオンライン学習法を提案し,実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,DBMアルゴリズムに対するオンライン学習に焦点を置き,関連文献の調査,従来手法を用いた実験,学習時のステップサイズ調整による効率的な機械学習モデルの更新が可能かどうかを検証,効率的に機械学習モデルを更新する為の新たな手法の提案を行った.従来手法を用いた実験,及びステップサイズ調整による更新の検証の結果,DBMアルゴリズムで得られていた有意差があったが,オンライン学習を行う事で従来手法と同等の精度になってしまう,ステップサイズの調整のみでは効率的に機械学習モデルの更新を行う事が難しいとの結論に至った.その為,その後の研究計画の見直しを行う必要があり,本来の研究計画からは遅れが生じる事があった.しかしながら,その後に新しい手法を提案し,研究目的が達成できる兆しが確認出来た為,おおむね順調に研究が進展していると言える.なお,当該年度においては,国内学会に2編,国際学会に1編の論文を提出し,発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度にガイドデータを用いたオンライン学習法を提案し,実験結果から研究目的が達成できる兆しが見えた為,次年度は提案手法の改良と検証に焦点を当て,研究を行っていく.又,DBMアルゴリズムで得られた機械学習モデルについて,携帯デバイス上で利用した際の実時間等を計測し,実用上充分な識別時間となっているか,どの程度の識別が可能か等の検証も合わせて行っていく予定である.
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Research Products
(2 results)