2016 Fiscal Year Annual Research Report
経口免疫寛容における制御性T細胞サブセットの機能解明と食品成分による調節
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15J10545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芝原 恭子 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 免疫学 / 経口免疫寛容 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / 濾胞制御性T細胞 / IgE抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
経口免疫寛容は、経口摂取した抗原に対する全身の免疫応答が抑制される現象であり、食物アレルギーの発症を抑制する一因であると考えられる。食物アレルギーの誘導にはIgE抗体の産生が関与することから、本研究では、経口免疫寛容の誘導に重要な抗原特異的T細胞のサブセットの中でも、抗体の産生に関与する濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞・濾胞制御性T(Tfr)細胞に着目して解析を行った。Tfh細胞は抗体の産生を促進する一方、Tfr細胞は制御性T細胞に発現する転写因子Foxp3を発現し、抗体産生を抑制すると考えられている。まず、抗原特異的T細胞を移入し、抗原の経口投与と共に粘膜アジュバントであるコレラトキシンを用いることで、経口免疫寛容と感作時における抗原特異的Tfh細胞の比較解析が可能なマウスモデルを作製した。このモデルを用いて解析を行ったところ、経口免疫寛容誘導時には抗原特異的IgE抗体がほとんど検出されないが、感作時には抗原特異的IgE抗体が産生されることが確認された。さらに、抗原感作時の腸間膜リンパ節の胚中心B細胞において、IgE+細胞が経口免疫寛容誘導時と比較して有意に増加していた。このとき、腸間膜リンパ節の移入由来細胞において、Tfh細胞に対するTfr細胞の割合を比較したところ、経口免疫寛容誘導時には、感作時と比較してTfr細胞の割合が有意に大きかった。本研究の結果から、経口免疫寛容においては、腸間膜リンパ節でTfr細胞が豊富に誘導され、過剰なIgE抗体産生が防がれていることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)