2016 Fiscal Year Annual Research Report
ねじれたπ共役系を有する多量体の合成およびねじれ制御による機能性の探究
Project/Area Number |
15J10579
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 覚 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
Keywords | 反芳香族 / ポルフィリン / ノルコロール / 縮環 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに研究実施者はπ共役分子であるポルフィリン同士を縮環させ、置換基の立体反発によりねじれた構造へと変化させることに成功している。さらに繰り返し縮環を行い、今までにない大きなねじれを有したπ共役分子の創出に成功している。ここでπ共役分子の芳香族性に着目すると、これまでの成果はπ共役分子の中でも芳香族分子どうしを縮環した新規π拡張分子への変換と考えることができる。一方、反芳香族分子においては縮環によりπ拡張した例は限られており、π拡張が反芳香族分子の物性に与える影響は興味深い。研究実施者が所属している研究室では16π共役系をもつ反芳香性ポルフィリノイドであるノルコロールの合成・単離に成功している。さらにNMR測定からノルコロールは明確な反芳香族性を示すことがわかっている。そのため、このノルコロールがπ拡張反芳香族分子の有用なモチーフになると考えた。このような背景のもと、今回、研究実施者はπ拡張した反芳香族分子としてノルコロールとポルフィリンを3箇所で結合した三重縮環二量体を設計した。ポルフィリンの縮環においてこの三重縮環という形式は他の縮環形式よりもポルフィリン骨格が与えるもしくは受ける摂動は大きく、電子物性が大きく変化することが知られている。そのため、吸収スペクトルの大幅なレッドシフトやπ共役サーキットを変化させることができるため、様々な三重縮環ポルフィリンが合成されている。本研究では、反芳香族分子のπ拡張にもポルフィリン骨格の縮環が有用であると考えた。ポルフィリンの縮環したジブロモジピリンを前駆体として合成し、最後に低原子価Niを用いた分子内カップリングによってノルコロールとポルフィリン三重縮環二量体の合成に成功した。さらにX線結晶構造解析に成功し、その構造を明らかにした。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)