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2015 Fiscal Year Annual Research Report

膝関節角度に依存した大腿四頭筋のサルコメア長を実測する新たな試み

Research Project

Project/Area Number 15J10671
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

安藤 良介  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2017-03-31
Keywordsサルコメア長 / 中間広筋 / 膝関節角度 / 長さ-力関係
Outline of Annual Research Achievements

大腿四頭筋の深層部に位置する中間広筋の機能的役割は,表層部に位置する3筋と比較して明らかにされていない.筋の張力を決定する因子の1つであるサルコメア長は,関節角度に依存するため,サルコメア長-関節角度関係は,筋の機能的役割を知る上で重要である.中間広筋のサルコメア長と膝関節角度の関係については十分に明らかにされていない.したがって,中間広筋のサルコメア長と膝関節角度の関係を明らかにすることを本研究の目的とした.
死後硬直が解けた後,屍体の膝関節を屈曲15°(左脚) と屈曲90°(右脚) で固定した.皮膚および皮下組織を取り除き,中間広筋を剖出した.筋線維の走行に沿って中間広筋の組織を摘出し,固定処理などを施した後,電子顕微鏡で観察した.画像解析ソフトを用いてサルコメア長を計測した結果,膝関節屈曲15°で2.72 μm,屈曲90°で3.46 μmであった.
一方,5名の健常成人男性において,超音波法を用いて筋束長を計測する実験を行った.膝関節屈曲15°と90°における等尺性最大筋力発揮時における安静時から筋力発揮時の筋束長の変化率を求めた.その結果,膝関節屈曲15°では-21%,屈曲90°では-25%であった.
筋力発揮に伴うサルコメア長と筋束長の変化率が同一であると仮定し,屍体において計測された安静時のサルコメア長に生体において算出された筋束長の変化率を当てはめて筋力発揮時のサルコメア長を算出した.その結果,筋力発揮時のサルコメア長は,膝関節屈曲15°で2.15 μm,屈曲90°で2.60 μmと推定された.これらは,長さ-力関係の上行脚と至適長にそれぞれ位置する.したがって,中間広筋は膝関節が90°屈曲した位置において,高い張力発揮が可能であることが示唆された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度では,2体の屍体を対象に本実験を行い,1体の屍体について理論値を得ることができた.もう1体の屍体において理論値を得ることができなかった理由については,共同研究者の間で十分に議論が進んでおり,その対応策をたてた.したがって,平成28年度の追加実験は順調に進捗すると考えている.

Strategy for Future Research Activity

サルコメア長の計測について,屍体の生前の活動量が計測値に影響を与えることが示唆された.実験で対象とする被検体を選定することにより,理論値を得ることができると考えられた.平成28年度では,屍体におけるサルコメア長の計測を進める予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 膝関節角度と等尺性収縮時の中間広筋の筋節長の関係2015

    • Author(s)
      安藤良介,谷口圭吾,菊池真,溝口照悟,渡邊航平,藤宮峯子,片寄正樹,秋間広
    • Organizer
      日本体力医学会
    • Place of Presentation
      和歌山県
    • Year and Date
      2015-09-18 – 2015-09-20
  • [Presentation] Sarcomere length range in vastus intermedius with knee joint angle change2015

    • Author(s)
      Ryosuke Ando, Keigo Taniguchi, Shin Kikuchi, Kohei Watanabe, Mineko Fujimiya, Masaki Katayose, Hiroshi Akima
    • Organizer
      American College of Sports Medicine
    • Place of Presentation
      San Diego, California, USA
    • Year and Date
      2015-05-26 – 2015-05-30
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2016-12-27  

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