2015 Fiscal Year Annual Research Report
報酬の相対的価値とそれを補正する心理神経メカニズム
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15J10796
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠山 朝子 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 相対的価値 / fMRI / 皮膚コンダクタンス反応 / 計算論モデル / 強化学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
主観的価値が他の選択肢の影響で相対的に変わるメカニズムとして、Range-Adaptationがある。これは、過去や現在において与えられた選択肢の中で価値を再スケール化するメカニズムであり、限られたリソースの中で、価値の弁別性を最大化し、プライオリティに基づく反応を形成する上で重要となるメカニズムである。しかし、将来の選択肢に対する期待が現在の価値のRange-Adaptationに与える影響についてはわかっていない。そこで本研究では、金銭報酬遅延課題(MID課題)を行っている際の脳活動と身体反応(自律神経系反応と行動指標)を同時計測し、課題の途中で将来の選択肢に対する期待の程度を回答させた。 得られたデータを解析した結果、報酬予期時に,線条体や視床などの報酬系ネットワークと、小脳などの運動準備関連の部位で,価値の相対性に対応した活動が見られた。また、抹消の覚醒度の指標となる皮膚コンダクタンス反応(SCR)においても価値に対応した反応の違いが見られた。また、将来への期待が高い個人程、現在の価値の弁別性が低下することが示され、将来への期待が現在の価値のRange-Adaptationに影響を与えることが明らかになった。具体的には、将来への期待が高い個人程、小脳における価値に対応した反応の弁別性が低くなり、SCRについても価値に対する弁別性が低くなることが示された。これらの結果は、ポスター発表及び口頭発表にて報告を行った。 さらに、文脈、特に課題中の状態遷移確率が意思決定に与える影響についての行動実験も行った。得られたデータから、文脈が意思決定に与える影響を内包した計算論モデルを提案し、この成果については、国際学会にて発表を行った。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)