2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J10824
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小金渕 佳江 北里大学, 医療系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 古代ゲノム / 次世代シークエンサー / ターゲットキャプチャー / BAC |
Outline of Annual Research Achievements |
<背景>これまでは現代人のゲノム解析より日本列島ヒト集団の集団史を推定してきたが、古人骨のゲノム情報を直接分析すれば、集団形成の情報を直接的に得ることができる。すなわち、先史時代(縄文、弥生、古墳時代)の遺跡からの出土人骨からのヒトゲノム情報を調べれば日本列島の集団形成史を明らかにできる。 <目的>日本列島の先史時代人のゲノム情報に基づき、日本列島ヒト集団がどのように成立したのかを検証する。 <成果>目的の遺伝子領域のみのNGS用ライブラリーを濃縮するターゲットキャプチャー法を検討した。デザイン済みの商用製品の対象領域は、がん関連遺伝子などに限られ、またカスタムは高額で小規模ラボで導入するには手軽さに欠けるため、1遺伝子座のNGS解析を安価に行う方法の開発を試みた。この手法はキャプチャーのベイトにBACを利用するため、BAC-capture法と呼ぶ。その結果、未濃縮のライブラリーと比較して8.4-24.2倍多くのリードがBACクローンと同じ領域にマップされることが明らかになった。また、濃縮効率を向上させるために、濃縮を2回繰り返すdouble-capture法をBAC-capture法に組み込むこと(double BAC-capture法)を検討した。その結果、double BAC-capture法では未濃縮の場合に比べて、約500~1000倍多くのリードがBACクローンと同じ領域にマップされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画でH27年度に実施予定となっていた、縄文・古墳・弥生時代の古人骨から抽出したゲノムライブラリー作成は、共同研究者の協力により完了している。H27年度中にターゲットキャプチャー法の開発が完了する予定であったが、解析機器のトラブルが続いたため予想よりも時間がかかり、計画全体としてはやや遅れている。また解析対象とする遺伝子領域に、日本人集団のモヤモヤ病患者で高頻度のリスクアレルが存在するRNF213を追加することとした。こうした状況から前進はあるものの「やや遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
BAC-double-capture法の精度を向上させるため、キャプチャー時のハイブリダイゼーションの条件や、ライブラリーのPCR条件の検討を進める。そしてその手法を用いて現代人由来のNGS用ゲノムライブラリーの濃縮とシーケンシングが成功することを確認した後に、古人骨由来ゲノムライブラリーへ利用し、配列データを取得する。そしてそのデータを用いて在地系縄文人と渡来系弥生人の混血率を検証する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] An evolutionary study of the RNF213 gene associated with Moyamoya disease in the people of the Japanese archipelago2015
Author(s)
Kae Koganebuchi, Shigeki Nakagome, Shuhei Mano, Naoya Ishizaki, Shoji Kawamura, Ryosuke Kimura, Hajime Ishida, Keiichiro Joh, Kazuma Fujimoto, Hidenobu Soejima, Kimitoshi Sato, Yoshie Yasui, Toshihiro Kumabe, Kiyotaka Fujii, Tokiho Akiyama, Motoyuki Ogawa, Tsunehiko Hanihara, Hiroki Oota
Organizer
The annual meeting of the Society for Molecular Biology and Evolution
Place of Presentation
Hofburg Palace (Vienna, Austria)
Year and Date
2015-07-12 – 2015-07-16
Int'l Joint Research
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